プロ野球のボールが飛ぶように調整されていた問題できのう12日(2013年6月)、日本野球機構(NPB)の加藤良三コミッショナーが会見して、「知らなかった」と事務局内の意志の疎通を欠いたことは認めたが、責任については「不祥事ではない」と突っぱねた。
「ボール変更知らなかった。隠蔽でも不祥事でもない」
今シーズン始めからボールが飛ぶことは知られていたが、加藤氏も事務局も「変わっていない」としていた。それがこの11日、NPB事務局が選手会に「調整していた」と明かしてわかったのだが、加藤氏はそれまで知らなかったというのだ。
統一球はもともと加藤氏のアイデアで、そのためボールには「加藤良三」というサインが入っている。その当人が知らないうちになぜボールが調整されたのか。コミッショナーはNPBのトップだ。事務局の上に各球団のオーナー会議があり、その上に位置する。加藤氏の言い分では、事務局が勝手にやったということになるが、この説明があやふやだった。
下田邦夫事務局長は11日の発表では「加藤氏に相談している」といっていたが、これがウソだった。この日も「ウソととられても仕方ない」「反省している」と要領を得ない。「何人が知っていたのか」との質問には、事務局員が「若干名」とあやふやで、「数は?」と突っ込まれると、「いわなきゃいけませんか」と押し問答の末に、「事務局長を除いて2 人」。つまり3人が知っていたという。ボールのメーカーのミズノにまで口止めをした理由ははっきりしなかった。
加藤氏もこれまでの説明と違ったことを謝罪はし「知っていれば公表したし、すべきだ」といったが、「隠蔽か」との問いには「不祥事ではない」「隠蔽はなかった」「疑問にも思わなかった」という。