田淵幸一「選手すでに60試合。今になってボール違ってたじゃ無責任過ぎる」

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「私が知ったのはきのうであり、その事実を知っていたら、その時点で公表したであろうし、すべきだった」

   プロ野球の公式戦で使う統一球を飛ぶボールに変更していたことを隠蔽していた問題で、日本野球機構(NPB)の加藤良三コミッショナー(71)は12日夜こう釈明した。

   プロ野球組織を代表し管理統制するコミッショナーが、大事な統一球の変更を事務方から知らされていなかったわけで、「辞任の考えは?」と問い詰められても、「不祥事を起こしたとは思っておりません」と開き直った。

加藤コミッショナー指示。下田事務局長がミズノと交渉

   NPBによると、2011年から導入された統一球は平均反発係数が基準を下回ることが判明し、加藤コミッショナーが下田邦夫事務局長(59)に対応を一任、下田局長が製造元のミズノと調整を進めて昨年10月(2012年)に発注していたという。

   新しい統一球はボールの中心部分のコルクを覆うゴム材の成分を変えて飛ぶようにして、今シーズン(2013年)のオープン戦から使っている。公式戦の本塁打数は6月11日現在で512本、昨年の同試合数の315本に比べ6割増となっている。反発係数の調整を指示した加藤コミッショナーが、この変化を「選手の能力、適応力、工夫で変化があったと思っていた」というのはおかしいし、公式戦が始まって2か月以上も経つのに、確認すらしていないというではコミッショナー失格である。

   司会のみのもんた「不祥事でしょう。不祥事以外の何ものでもない。どういう職責を全うしなければいけないか、それを考えたうえで(コミッショナーを)引き受けるべきです」

   早稲田大大学院教授の北川正恭「知らなかったとしたら、それこそ不祥事ですよ」

   ノンフィクション作家の小松成美は「これを不祥事でないといってしまう(コミッショナーの)今の心の中を思うと、本当はウソがあったのではないかと疑ってしまいます」と話す。

あるピッチャー「飛ぶなら飛ぶでいい。わかってれば対応」

   「朝ズバッ!」に出演した野球解説者の田淵幸一はこう指摘した。「あるピッチャーが言っていました。『飛ぶなら飛んでもいい。そしたら対応の仕方が変わってくる』と。何も知らされないで60試合が終わり、ボールが違ってましたでは無責任すぎます。先輩、OBを(機構の中に)取り入れて変えていかないといけない」

   加藤コミッショナーは元外交官。駐米大使時代にはホームラン王のハンク・アーロンと王を駐米日本大使館公邸に招きパーティーを開いたり、大リーグで始球式を務めるなど大の野球ファンを自任している。第12代コミッショナーとして5年になる。下田事務局長は共同通信社運動部に所属し、プロ野球担当記者として過ごしてきた。いずれも根っからの野球人ではなく、野球やボールに対する認識の甘さが裏目に出たのかもしれない。

文   モンブラン| 似顔絵 池田マコト
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