テレビプロデューサーのデーブ・スペクターが紹介する海外ニュースで、スポーツ選手の家庭内暴力(DV)の話が出た。日本でも元サッカー日本代表のDVがあったが、アメリカのプロ・フットボール(NFL)のチャド・ジョンソン選手(35)のケースは思わぬところに落とし穴があった。
路上で妻殴ったチャド・ジョンソン。保護観察処分の司法取引パー
アメリカではこのところ著名人のDVの話題が多い。ジョンソンは去年8月(2012年)、妻と路上で口論となり、妻に暴力を振るったとして逮捕された。保護観察官との面会などを条件に保護観察処分となったが、面会をすっぽかして再び逮捕され、日本時間のきのう11日に下された判決で波乱が起きた。裁判長は「保護観察中の違反行為は最高禁固1年です。司法取引で禁固は免れますが、保護観察の期間は3か月延長」と言い渡した。司法取引はジョンソンが社会奉仕やカウンセリングを受けることが条件で、これで一件落着のはずだった。
が、裁判長が発した質問で波乱が起きた。「弁護士には満足してますか」と質問し、ジョンソンが「素晴らしい人です」と答えると、裁判長も「そう、彼は優秀ですからね」。するとジョンソンは隣に立つ弁護士の尻をポンと叩いたのだ。これはスポーツ選手が仲間に「よくやった」という意味でグラウンドなどでやる。法廷内は笑いに包まれた。映像では守衛も笑っている。1人だけ笑わなかったのが裁判長だった。ジョンソンに向かってこう言いはなった。
「あなたはこの裁判に真剣に向き合ってますか」
「いま弁護士の尻を叩きましたね。この裁判が可笑しいですか」
ジョンソンは「笑っていません」と反論したが、裁判長は「でも、お尻を叩いたからみんなが笑った。この司法取引は認めません。笑い事ではないですよ」と言うやいなや司法取引のペーパーを放り出した。さらに、「あなたを再勾留します。法律に基づき30日の禁固を命じます」
がっくりと肩を落とすジョンソンに手錠がはめられ、哀れ看守に付き添われて法廷を後にすることになった。
事件から24時間で速攻解雇
デーブ「裁判官を侮辱するつもりもないし、フットボール選手ならよくやること」
司会の小倉智昭「よくやったということでしょう」
デーブ「裁判官も相当よくしてくれたのに、この態度かとなってしまった。これには賛否あって、判事もやりすぎだと来週月曜日にもう1回アピールするチャンスを与えるらしい」
小倉「いったんは判決出してるのに、変えていいもんなの」
デーブ「権限ありますからね」
笠井信輔アナ「女性裁判官だから女性の敵には厳しかったのかも」
ジョンソンはマイアミに所属していたが、この事件で24時間後に解雇された。デーブは「すべて自滅した」。何事によらず、頭がちゃんとしてないとホントのスターにはなれない。