「映画市場でも中国の台頭があるんだな」とコメンテイターの石原良純(タレント)がなにやら感慨深げに言う。中国では「映画館がどんどん増えて、映画産業がふくれあがってる」(小松靖アナ)そうな。世界の映画興収市場を見るに、日本市場は北米市場に次ぐ2位の座から転落し、ここでも中国に取って代わられてしまった。
日本を抜いて今や世界第2位の映画市場
世界2番目の映画市場ということになれば、ハリウッドも「中国マネー」は無視できず、「中国にすりより」(番組キャプション)という状況になっているという。なんでも中国は映画の検閲が厳しく、中国のイメージを損なう(不正確な)中国人(風)キャラの登場シーンが短縮されたり、中国らしからぬ下品な言葉などが差し替えられることが間々ある。
たとえば、「パイレーツ・オブ・カリビアン」で香港の俳優チョウ・ヨンファが伝説の海賊として登場するが、剃り上がった頭、ひげ面、大きな顔の傷が中国人への偏見につながりかねないとして、オリジナル版には20分あったシーンが中国版では10分に短縮された。また、「007スカイフォール」ではマカオのカジノシーンに登場する中国美人が「12、13歳の頃から売春してたわ」としゃべるのだが、中国版では「12、13歳からマフィアに入っていたわ」と変えられている。共産中国では売春はないことになっているからだ。中国の人気女優やスポンサーの商品がシーンに関係なく不自然に挟み込まれることもあるそうな。
「ハリウッドよ、お前もか」ってな、番組とジャパンの嘆きが聞こえてきそうだ。
文
ボンド柳生