おととい8日(2013年6月)、茨城・古河市の小学校で起ったつむじ風はなぜ起きたのか。運動会が行われていた最中に校庭でつむじ風が巻き起こり、子どもたちが走るトラックの真ん中を通り抜けてテントを吹き飛ばし、6人がけがをした。あっという間だった。すぐ近くを通ったという生徒は、「足に石とか当たって痛かった」といっていた。
地上温度急上昇で「塵旋風」
このつむじ風、新聞・テレビに現れた呼び名にもびっくりだ。「塵旋風(じんせんぷう)」という聞き慣れない名前だった。小さなものなら、子どもの頃に中に飛びこんだりして遊んだものだ。そのとき、手足の皮膚が傷ついたりすることもあるから、地方によっては「カマイタチ」などとも呼ぶ。
解説によると、地上の温度が急激に上がって、上昇気流が渦を巻く状態をいう。上空から降りてくる竜巻と違って、いつどこで起るか予測がつかない。その映像がいくつかあった。2009年5月、盛岡市の野球大会の会場のつむじ風は直径が2メートルほどで、突然巻き上がって荷物やカメラをなぎ倒して、隣の野球場に進んでいった。通り過ぎればそれで終わる。もうひとつ、04年4月に長野・松本市で起ったのはでかかった。やはり野球場のようだったが、これは渦の直径が数㍍、高さは20メートルもあったろうか。テントを立木の上にまで放り上げ住宅地に消えていった。
真夏に多いはずが空梅雨でこの時期に発生
気象予報士の天達武史はきのう群馬・伊勢崎市の麦畑にいた。麦が時計と反対回りに広範囲に倒れている。まるでミステリーサークル。こちらは7日に起った竜巻だった。住宅の屋根瓦がこわれ、重さ40キロもあるゴミ箱が飛んできて、消防署の窓ガラスが壊れていた。でかいトタンの看板がクシャクシャになっていた。高さ10メートルの電線にひっかかっていたのだそうだ。
司会の小倉智昭はきのう日本一暑い熊谷の近くでゴルフをしていたという。「6月にしちゃ暑かったですよ」
天達「梅雨に入ったとたんに、雨が降らずに暑さ。これで塵旋風が起りやすくなっています。晴れておだやかなところで、突然起きます」
本来は夏の真っ盛りに起るのが、カラ梅雨でいま起っているらしい。これは同時に水不足にも通ずる。利根川水系のダムの貯水率はすでに50%を切っているという。本来なら満水状態の時期だ。
小倉「これから降るんじゃないの?」
天達「降るところ、降らないところがはっきりと分かれそうなんです。梅雨らしくなるのは6月下旬から。ボクも降ってくれないと困るんです」
予報士が困ることもないだろう。