「人口6万人の町で大事件が起きました。16億円の…ゴホッ、ゴホッ、ゴホッ」
司会のみのもんたが咳き込んだのも無理はない。日本下史上最高額の宝くじ当せん金が出たのだ。山を背にしたのどかな香川県観音寺市の宝くじ売り場で、「ロト7」の1等8億円の当せんが2口も出た。いったいだれが買っていたのか。同じ人が2口買ったと見られている。
「地元女性らしい」「バスの運転手」「いや、名古屋の観光客」…
「ロト7」は1~37の数字のなかから7つを選び、7つすべて的中すると1等4億円が当たる。1等賞金はキャリーオーバーで8億円になっていた。1等の幸運を射止めたのは3口あり、うち1口は東京・東村山市内の宝くじ売り場で、残る2口がここ観音寺市の同じ宝くじ売り場だった。
いったい誰が射止めたのか。町の噂を聞くと、「地元の女性の方だとか聞きましたけど」「いや、出張で来ていた名古屋の人とかバスの運転手だとかいってます」とまちまちだ。あるいは、買った人の記憶の残っているかもしれないと、売り場の女性に聞くとこんな答えが返ってきた。
「前の週の土曜日から翌週の金曜日に販売した券なんですが、販売員3人が係わっているけど、誰が買われたか分かりませんね。お客様が券を持ってこられて初めてわかるんですよ」
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト