なぜか警察との緊急通報装置取り外し
ヤス子さんは身の危険を感じてか、電話番号を登録しておけば緊急時に警察に迅速に対応してもらえる被害者支援制度を利用しており、ボタン式の緊急通報装置の貸し出しも受けていたが、数か月前にこうした支援システムを解除していた。これについてもテリーは「知人男性から取り外すよう脅された可能性がある」とみる。
コメンテーターのロバート・キャンベル(東大教授)は「長崎ストーカー事件もそうだが、母親が暴力被害の娘と加害者との間に立って犠牲になるケースが多い」と指摘する。
こうした事件はどうすれば防げるのか。香山リカ(精神科医)は「警察も暴力を振るうとか、具体的な事実がないと加害者を隔離したりしないので、本質的には防止するのは非常に難しいでしょうね。被害者を一時的にシェルターなどに避難させることも考えられます」という。
警察は現在、連絡がとれなくなっている知人男性の行方を捜している。
文
一ツ石| 似顔絵 池田マコト