「今回、私が教わったことは、成長はアフリカにあり、伸びるアフリカに投資すべきは今ということです」
3日(2013年6月)に閉幕した5年に1度の「アフリカ開発会議」で、安倍首相は民間投資を拡大させたい政府の姿勢をこう熱っぽく語った。アフリカに民間投資も含め総額で向こう5年間に最大3兆2000億円の協力を約束した。「朝ズバッ!」は投資総額で日本の3倍という中国との比較を取り上げたが、はたして遅れをとりもどす秘策はあるのか。
コンゴ出身の元鈴木宗男秘書ムルアカ「日本がやること必ず潰しにかかる国」
アフリカ開発会議にさっそく中国が反発した。なぜか中国外務省ではなく、中国人民解放軍の機関紙「解放軍報」が2日付の記事で、「カネで国連安保理の常任理事国の席を得ることができると考えていたなら大きな間違いだ」と八つ当たりしている。さらに、「日本が政治的な大国になろうとするならば、まず誠実に自らを反省しなければならない」とここでも歴史認識を持ち出してきた。まさに牽強付会だ。
折りしも、習近平主席がドミニカ、ジャマイカなどカリブ海8か国を歴訪し各国首脳と会談、子供向けの病院建設費用として250億円の援助を表明するなど、資源外交では先をいっているかのように当て付けた。
番組に今回の会議に出席した新党大地代表の鈴木宗男の元私設秘書でコンゴ出身のジョン・ムウェテ・ムルアカ(千葉科学大教授)が出演した。
司会のみのもんた「(今回の会議には)中国は冷ややかな態度ですね」
ムルアカ「中国がいちばん気にするのは日本ですね。日本の政策はなるべくつぶすということでやってきましたね。私の知る限り、日本政府のミッションが行くと必ず中国大使館が『なにしに来ているのか』というのがありました」
みの「アフリカ開発会議の成果はなんですか」
ムルアカ「安倍総理の熱心さは予想以上だとみなビックリしていました。なにより、日本企業と政府が協力して一緒にやりましょうというイニシアチブがすごく大きかった。ただ、ここ10数年の間、日本はアフリカのことに熱心でなかった。そこへ中国がやってきた」
「対アフリカ関係」先行してたのに中国トンビに油揚げさらわれた日本
アフリカ開発会議は日本が呼びかけて1993年から5年に1回のペースで開いている。先見の明があったのだが、アフリカが経済成長を始めた2000年ごろから、日本はアフリカに関心がなくなってしまった。その間隙を縫うように中国が投資を増やし、2000年からは3年に1度のペースで「中国・アフリカ協力フォーラム」を始めた。
コメンテーターの杉尾秀哉(TBS解説室長)「先見の明はあったのだが、熱が冷めたその隙にトンビに油揚げさらわれてしまった」
みの「アフリカ諸国は中国をどうみているのかな」
ムルアカ「問題はたくさんあって、プロジェクトも未完成が多く、約束を守らないことが結構多い」
潟永秀一郎(「サンデー毎日」編集長)が資源のぼったくりではない、誠実を売りものにしたこんな提案を行なった。「今回、モザンビークから農民代表が訪れ、日本がやっている開発について反対を表明した。大規模農業をやられると、地元の食い扶持を取り上げられてしまうという。中国や韓国がやっていることがビジネスなら、遠回りかもしれないが住民たちに信頼される支援をやるべきだ」