「レスリング、野球・ソフトボール、そしてスカッシュです」
ロシア・サンクトペテルブルクで開かれたIOC理事会で、残り1枠をめぐり8競技が争っていた2020年夏季五輪の追加競技は3つに絞られた。
いちばん喜んだのは現地でロビー活動を続けていた女子レスリング五輪3連覇の吉田沙保里選手(30)だ。「最初にレスリングが言われて飛び上がるほど嬉しかった。100万人近くの署名を集めてくださったおかげだと思っています」と満面の笑みで話す。
野球・ソフトに会場からど異様なよめき
選考は14人の理事による投票で行なわれた。投票は理事14票のうち過半数(8票)を得た種目を残し、最下位から順次除外するという方法で行われた。レスリングは1回目の投票で過半数の8票を獲得し、その次に野球・ソフトボールが選ばれ、最後にスカッシュが残った。日本テレビの渡辺祐史記者はこう伝えた。
「野球・ソフトボールが2番目に発表されたときは、関係者から歓声が上がり、会場にどよめきが起きました。レスリングよりリアクションはむしろ大きかったような気がします。前評判が高かったスカッシュは淡々と受け止められたような拍手の感じでした」
本村健太郎(弁護士)は「どこを応援していいかわからない複雑な気分がありますね」といい、キャスターのテリー伊藤は「1度切られたレスリングの評判が高かったのは、切られてことに対する反発もあり、圧力もあったと思う」という。
絞られた3つの競技のうちどの競技が残るか。9月7日のIOC総会で決着がつくが、この日は2020年の五輪開催地が東京に決まるかどうかの運命の日になりそう。