2020年開催の五輪の競技種目に日本のお家芸レスリングが最終候補のひとつとして残ることになった。正式には9月(2013年)のIOC総会で、野球・ソフトボール、スカッシュを含む3つの中から1種目選ばれる。きのう29日(2013年5月)、ロシアのサンクトペテルブルクで開かれた国際オリンピック委員会(IOC)理事会で決まった。
吉田沙保里「飛び上がるほどうれしかった。みなさんのおかげ」
「飛び上がるほどうれしかった。みなさんのおかげだと思っています」
いちばん喜んだのは「レスリングの顔」としてロビー活動に取り組んできた金メダリストの吉田沙保里選手だろう。2020年の開催地が東京に決まれば出場したいといっていた。
2020年五輪の競技種目はすでに27種目が決まっており、残る1枠をめぐってレスリング、ローラースポーツ、空手、スポーツクライミングなど8種目がプレゼンテーションし、理事の投票によって3候補に絞られた。この3種目が残った理由について、アナウンサーの田中大貴が解説する。
「レスリングは国際レスリング連盟の役員に女性枠を設けるなど、組織改革やルールの改正をしました。また、アメリカ、ロシア、イランが政治的対立を越えて協力したことも大きな要素です。野球・ソフトボールは統一組織を作り、同一会場を使用することにし、野球も7回制として時間短縮を図りました。スカッシュは選手数が少なく、五輪のスリム化に沿っているといったことなどが評価されました」
強敵はスカッシュか?日本なじみ薄いが世界で144か国、競技人口2000万人
スカッシュは日本ではあまり馴染がないが、田中は「世界144か国で行われており、競技人口2000万人を超えていますので、かなり有利なところがあります」という。
司会の小倉智昭「もしスカッシュで決まると、日本いじめみたいに感じちゃうよね。それぐらい日本ではレスリング、野球・ソフトには人気がありますよね」
コメンテーターの古市憲寿(社会学者)は「でも、見ているとスカッシュは楽しそうですね。日本のメダルは減るかもしれないが、視聴者からすると、スカッシュの方がいいかもしれない」と話す。
小倉「前から言っているが、冬のオリンピックは種目を増やそうとしている。それだったら、室内競技のスカッシュとかレスリングとかバレーボールは冬に回したらいいと思うんですけど」
中江有里(女優・脚本家)「そういう考え方もありますよね。私はスカッシュはやったことがありますが、楽しいスポーツです。3つの中に残ったことに驚きました」
もともとレスリングは伝統競技ということで外されることはないという油断が関係者の間にあった。今回、猛烈な巻き返しを図ったわけだが、最終決定に向けてもうひと頑張りだ。
一ツ石