便座からお湯やお水が出る温水洗浄トイレは、一般家庭の7割という高い普及率だが、過去7年のうちに147件もの出火事故が起きている。トイレが燃えるとはただ事ではない。いったい何が原因なのか。出火を防ぐには日頃からのどんな所を点検したらいいのか。
夜、オシッコに起きたら「火事だ!」便座は跡形もなく黒焦げ
大阪府寝屋川市の京田正さん宅では6年前、トイレが突然炎に包まれ、便座が跡形もなく黒焦げになった。深夜、1階に寝ていた父親が叫んだ。「火事だ!」。2階から駆け下りた正さんは目を疑った。「トイレが燃えているんですよ。発見があと10分遅れていたら全焼になったと思いました」
枚方寝屋川消防本部は「出火の原因は便座を温めるヒーター線の一部分が断線していたためです。温かい便座は電化製品です。繰り返し同じ動きである開閉を行うことで断線はありえます。その断線が火種になって出火するケースは案外多いんです」(小椋幸治・枚方寝屋川消防本部調査員)と説明した。
強打さんの家のトイレは20年以上使用していたが、温水洗浄便座工業会やメーカーは10年以上たった温水洗浄トイレについては、自主点検を呼び掛けている。どこを点検すればいいのか。
「コードのねじれ」「便器ひび割れ」「便座が異様に熱い冷たい」「シールのはがれ」
中村慶子アナ「外付けされたコードがねじれていないか、踏まれていないかをチェックします。次に便座が温まりにくかったり、反対に熱かったりは要注意です。便座内には100ボルトの電気が走っていることを忘れないで下さい。便座のひび割れは水が染み込む原因となります。操作部のシールのはがれも要注意。便座裏のゴム足の脱落にも見てください。取れていたりすると便座ががたついて、コードの傷みの原因となります」
これらの一つでもあれば、電源プラグを抜き止水栓を止めてメーカーに電話すること。便座の中の配線をいじるのは厳禁だ。複雑なコード、ICチップ、モーター、ヒーター配線が複雑に絡み合っていて、素人がいじるとさらなる断線や漏電の原因になる。
(磯G)