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「涙活」って知ってる?集まってみんなで泣く会…おすすめの映画と本

   しばらくぶりに『週刊朝日』の記事を2本紹介しよう。女性向けAVの売れ行きが好調だという。3000本売れればヒットいわれるAV業界の中で、1万本以上のヒット作品を出しているそうである。ソフトで女性の気持ちに寄り添った作りは当然だが、男優が向井理を思わせる甘いマスクと清潔感があるというのだから、なるほどと思う。週刊朝日の山岡三恵記者が突撃取材している。

<業界初の「専属男優」である一徹は、女性向けAV人気の火付け役。有名大学法学部を卒業後、公認会計士になるべく専門学校に通う勉強漬けの中で、アダルトサイトで見つけた男優募集に応募し、業界入り。既婚者で、パパでもある>

   撮影現場での注意事項が興味深い。

<女優に対しては、「(男女とも)オーバーな『イク~!』はNG。イキそうなときは『気持ちいい』や『もうだめ』」「いきなり舌を出すキスはNG」「男性の乳首をつままない」「あえぎ声はいつもより抑え気味に」
   などなど。一般女性が共感しづらい「アバズレ感」「下品に見える行為」はほとんどNGなのだ。男優に対しても、「パンツの上からでも激しく触らない」「キスは唇だけでなく顔面、首筋、もも、指など、至るところに」「淫語は言わない」
   そして、最大の特徴はコンドームをつけるシーンが必須なこと。当初は啓蒙的な意味だったが、男性が彼女のことを考える優しさが伝わってきた、と好評だったという>

   週刊現代や週刊ポストのセックスものよりためになる。

   2本目は「涙活(るいかつ)」の記事。みなさんは涙活って知ってましたか。泣きたい人たちが集まって意識的に涙を流す会があるという。こういう新情報を得るのも週刊誌を読む楽しみである。

   その会を主催している自称「涙のソムリエ」嵯峨崇司さん(31)が名付け親。 週刊朝日によると、この日は宮沢賢治の詩「告別」の朗読を聞いたり、泣ける動画を見て、ともに泣くのだそうだ。参加した40代の半導体のエンジニアはこういっている。

<「泣くことで自分を出せると思いました。知らない人たちだから気にせず、それに周りの人たちが泣けば雰囲気に流されて泣けるのでは、と参加しました」>

   泣くことは若さの秘訣でもあるという。ホンとかいな。泣ける映画として、韓国映画の「建築学概論」「サニー 永遠の仲間たち」を挙げている。男泣きできる本として「ほかならぬ人へ」(白石一文)、「そうか、もう君はいないのか」(城山三郎)、「悼む人」(天童荒太)など。いまの世の中、泣きたいことがいっぱいあるというのに、それに気づかない人が多いということなのだろうか。


元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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