先週、司法試験が行なわれたが、司法修習生を目指す若者は口々に「将来は弁護士になりたい」という。女性の人気職業聴いたアンケートでも弁護士はトップクラスだった。荘口彰久リポーターは「弁護士はリッチというイメージが強いようです」という。しかし、リッチな弁護士はほんの一握りだ。弁護士の就職難の現実を取り上げた。
弁護士事務所の募集1人に400人が殺到
荘口「7年前の司法制度改革により弁護士の数は約2倍となっています。でも、裁判所が受理した訴訟件数は2003年度が600万件でしたが11年度は400万件と減少しています」
弁護士向けの就職説明会の主催者は「法律事務所の1人の募集に対して、300人から400人の応募があります」と話す。国税庁の調査によると、個人事務所を構える弁護士の大半が年収100万円ちょっとだ。そして、両親と同居して個人事務所を構える酒井陽春弁護士(35)は「ここ1か月、新しい案件の相談はありません。このままでは夏までに廃業ということも考えなくてはなりません」と不安そうだ。
酒井弁護士は刑事事件の国選弁護人を選ぶ抽選会に向かった。「なんとか1件受理できました。でも、弁護士報酬は7、8万円前後でしょ」と話す。
法律に通じているだけでは「企業弁護士」としても使えず
メインキャスターの小倉智昭はコメンテーターのショーン川上(経営コンサルタント)に聞いた。「アメリカでは弁護士を社員として雇用する企業もありますよね。日本の企業でもできないのかな」
ショーン川上「でも、法律に通じているだけでは企業の中で生き残れません。たとえば、知的財産問題にも詳しいなど、プラスアルフが求められています。そのために、海外に留学するという例もあります」
深澤真紀(コラムニスト)「司法制度改革前は弁護士不足が問題となっていました。それで、弁護士の数をフランス並みにしようと制度改革が行われわけですが、その結果、このような状況が生まれたのだと思います」
そもそも、日本では犯罪者か民事訴訟の当事者にならない限り、普通の人には弁護士って何をやる人なのかよくわからないんだよな。