「マイナンバー制度」巨大利権!ITゼネコンのおまんまのため導入
今週の週刊現代、硬派記事に読むべきものが多い。5月9日に納税や年金などの情報を国が一元管理する「共通番号(マイナンバー)制度」法案が衆院を通過したが、大きな話題にはならなかった。国民ひとりひとりに番号を振って、年金や納税、家族構成などの情報を管理するため、政府の試算によればシステム構築に3000億円程度の税金が必要になる。法案が成立すれば2016年1月から施行されることになるのだ。
2002年に導入された「住民基本台帳ネットワーク」(住基ネット)も同じようなものなのに、なぜマイナンバー制度が必要なのか。週刊現代は「ITゼネコン(大手ITシステム会社)の巨大利権だから」だと報じている。元経産省官僚の古賀茂明氏が住基ネットの現状をこう語る。
<「数々の反対を押し切り、システム構築に約400億円もかけて導入したけれど、今に至るまでほとんど使われていません。交付率は10年経った今でもわずか5%(!)。にもかかわらず、年間百数十億円もの維持運営経費をつぎこんでいます。これに輪をかけた壮大なムダが、今回のマイナンバー制だと思ってください」>
元財務官僚で嘉悦大学の高橋洋一教授も、住基ネットをそのまま使えばカネがかからないのにやるのは、「ITゼネコン」のおまんまのためだといっている。<「米国では、日本のマイナンバーに相当する社会保障番号(以下、SSN)が広く普及している。SSNには、名前・住所・生年月日・家族構成・メールアドレスなどの個人情報が入っており、納税などの際公的機関で使われるほか、就職やクレジットカードの申し込み、保健、医療サービスなど、さまざまな分野でその人を証明するIDとして使われてきた。その結果、番号の窃盗による詐欺などの被害が、なんと年間5兆円にも達しているのだ」>(週刊現代)
被害のこともそうだが、個人情報を国家だけが握ってしまうことへの危機感が日本人には少ない。そこがいちばん危険だ。