裁判所命令で強制収容・治療できないものか
精神科医の福井裕輝氏は「これはDVというより、ストーカーと考えた方がいいでしょうね。ある意味で典型なストーカー。ただ、今回はどの段階で介入できたかがむずかしいですね」
高木「ストーカーの側に医者をつけるとか、そっちはどうなのですか」
福井「ストーカーにも2つあって、だれでも失恋すれば考えることですが、次の暴力に発展するかどうか。暴力には介入できます。認知行動療法といって2か月 3か月で治まる人は治まる」
高木「今回のような長期にわたる執着は治るのですか」
福井「根本的な性格の治療には時間がかかりますね」
松尾貴史(タレント)「自分からその気にならないとダメなのでは?」
福井「加害者は自分こそ被害者だと思っていて、止めたいとも思ってる。そこでがんばってみますという人もいます」
羽鳥「警察とか第三者機関も手の打ちようがないのかなあ」
玉川徹(テレビ朝日ディレクター)「強制的にはできないのでしょうか」
福井「強制はないですね。警察がかかわったとき、医療機関を薦めようとしています」
松尾「変わった人のために決まりを作ると、おかしなことにもなる」
福井「そうですね。ただ、被害者の危機意識が乏しいとはいえます。今回はともかく、ストーカーはもっと怖いものなんだと考える必要があります」
玉川「接近禁止命令を出しているのにこうなったというのは、強制もできるのではないですか」
福井「アメリカでは裁判所が治療命令を出します。日本でも考えていいかもしれませんね」
とくに嫉妬心や猜疑心が強い男というわけではなく、病人として対処することがポイントだろう。