アメリカ縦断する「トルネード・アレー(竜巻街道)」熱帯と寒帯が地続き
なぜこの地域で竜巻が多いのか。オクラホマで研究をしたことのあるウエザーニュースの内藤邦裕・気象予報士によると、アメリカ大陸の地形の原因があるという。南の熱帯と北の寒帯が地続きで、西にロッキー山脈、東にも丘陵があって、テキサスからオクラホマ、カンザスと谷のようになっている。5月は暖気と寒気がぶつかって強い寒冷前線が発生しやすい。そこへロッキー山脈からの乾燥した下降気流が加わって、トルネード・アレー(竜巻街道)と呼ばれるのだそうだ。
今回の前線に沿った積乱雲の発生は600キロに及んでおり、そのうちのひとつが異常に発達してスーパーセル(上昇気流と下降気流のぶつかり合い)となってムーアを直撃したのだという。警報は竜巻が到達する15分前に出されていたので、逃げる時間は20~30分はあったが、普通のシェ ルターではもたなかったらしいという。
司会の羽鳥慎一「日本ではあまりイメージがないが、起きた場合の対策はどうしたらいいんでしょうかね」
内藤「怖いのは石などが飛んでくること。だから、見とれていないで避難する。地下か分厚いカベの奥がいいでしょうね。普通の家なら風呂場のバスタブ」
温暖化が進むと日本でも50年後には竜巻の発生が増えるという試算もあるようだが、地球は寒冷化しているともいうから、やたら心配しても始まらない。とりあえずはバスタブをイメージしておけばいいか。
文
ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト