ハイテク日本でなぜか導入進んでいない農業分野
ハイテク農法は日本の農業にも影響を与えている。農家にハイテク導入を奨励したハイテク企業代表の岩佐大輝氏は、「去年オランダを訪問したとき、日本では見たこともない農法に出合いました。これは凄いと思いましたが、考えてみるとさまざまな産業にハイテク技術が浸透しているけど、農業には入っていないんですね。そこで、日本の農業にハイテクは使えないかと考えたんです」という。
国谷「くまモンの熊本県は19年連続でトマトの日本一生産県となっています。でも、出荷先はほとんどが国内で、輸出農産物にはなっていません」という。伊藤保(三菱総合研究所主任研究員)は「オランダではコンサルタントが参加し、スマートアグリについてさまざまなアドバスをしています。対象はトマトやパブリカなど戦略的な輸出農産物です。世界に広がりつつあるオランダのスマートアグリ農法がまたオランダに戻り、さらなる新農法を開発しようと取り組まれています」と説明した。
国谷「日本もオランダと同じような農産物の輸出大国になれるでしょうか」
伊藤「国内では人口が頭打ち。国内市場ばかりを相手にしていては日本の農業再生はできません。でも、東南アジアや南アジアではこれから人口が急増します。スマートアグリで輸出大国になれる余地は十分あります」
ただ、スマートアグリに転換するためには、資金の調達、耕作地の集約化が必要だろう。その点について突っ込んだ分析はなかった。
ナオジン
*NHKクローズアップ現代(2013年5月20日放送「農業革命『スマートアグリ』」)