「そんなに執拗に聞かれるなら、きょうで囲み取材に応じるのはやめます。あすからはありません」と、日本維新の会共同代表の橋下大阪市長は啖呵を切ったが、3日後のきのう20日(2013年5月)になると囲み取材を再開すると変わった。しかし、「慰安婦発言」「風俗活用論」については、微妙に言い方をズラしてはいるが、撤回するつもりはないという。強気のまま突っ走れるか。
「選挙に有利不利の関係なんて長続きしない」
大阪・堺市で開かれた維新の会の政治資金集めパーティーで、橋下は「慰安婦発言についていろいろ言われていますが、日本が過去に犯したことは認めなくてはならない。ただ、当時は日本だけでなく、世界の主な国で日本と同じようなことが起きていた。それを橋下が慰安婦を認めたと過剰に報道された」と挨拶した。みんなの党・渡辺代表が「協力関係は打ち切るしかない」といっていることに対しても、「選挙に有利、不利になるからと関係を打ち切るのは、こちらも望むこと。それで選挙に勝てたとしても、関係は長続きしない」と言い切った。
司会のみのもんた「なぜ橋下市長は強気を崩さないのかなあ」
井上貴博リポーターは「夏の参議院選挙でみんなの党は25の選挙区で維新の会との連携を考えていました。でも、今回のことで連携は解消。みんなの党は独自候補の擁立に入ったようです」
囲み取材復活「選挙前に取材拒否は自殺行為」
政治評論家の有馬晴海は、囲み取材再開について「維新の会は橋下さんの個人商店のようなもの。2か月後に迫った選挙に向けて、これからいろいろなメッセージを出さなくてはならないのに、取材を拒否するのは自殺行為に等しいですよ。そう判断したのでしょう」と分析した。
みの「これで野党は選挙に勝てるのかなあ」
杉尾秀哉(TBS解説委員室長)「前の総選挙の時も野党はバラバラでした。今回もこのままなら自民党が圧勝ということになるかもしれない」
潟永秀一郎(「サンデー毎日」編集長)「反自民、非自民の票がどこに行けばいいのかを迷っているのが現状です。野党はまとまらないと力にはならない」
この橋下発言によって、昨年暮れの総選挙で維新の会に投票した有権者がズズッと引くことは十分考えられるわけだが、その票ははたしてどこに流れるのか。同じ改憲派だから自民党というふうな簡単な話ではなさそうだ。