電車の発着時にホームで音楽が鳴る「駅メロ」は知っていたが、電車の側で音が鳴る「歌う電車」があるとは寡聞にして知らなかった。東京と横浜・三浦半島を結んでいる「赤い車両」でお馴染みの京浜急行電鉄のもう一つのシンボルなのだという。
通称「ドレミファインバーター」で、スタートしたのは1998年。モーターに流れる電流を制御するインバーターは発車時に騒音が出るが、開発者が遊び心でこれにメロディーも流れるようにしたのだった。2005年には京急のCMにも使われていたという。そんな京急電鉄のシンボルが存亡の危機を迎えている。技術の進歩でインバーターの騒音を消せるようになったため、「ドレミファインバーター」もお払い箱になるのだという。
利用客からは「あの電車のシンボルなのに…」
歌う電車は最も多いときには19本あったが、現在は10本に減っている。これが今年度中には8本になり、数年後にはなくなる。シンボルになっているものをわざわざなくす必要もないと思うが、安全面やコスト面から止むを得ない措置なのだと説明している。
スタジオでは廃止を惜しむ声が相次いだ。かつて神奈川・逗子に住んでいて、京急の「歌う電車」を楽しみに聞いていたという司会のみのもんたは、「残しゃいいのにねぇ、何もわざと付けりゃいいのにね」と残念がる。
横須賀の出身で京急はいつも利用していたというコメンテーターの池田健三郎(経済評論家)も「歌う電車は横須賀市民に取っては当たり前ですね」
駅メロの作曲家の塩塚博さんは「京急の駅はドレミファインバーターが鳴るというのが頭の中に刷り込まれてるので、それがなくなっちゃうのは、漫才の相方をなくすようで、凄く淋しい」
利用客の存続の声が強まれば、形を変えて残すと思うよ。
(ヤスベエ)