敦賀原発2号機が廃炉になる可能性が強まった。同じ敦賀では、ずさんな管理から高速増殖炉「もんじゅ」の準備中止も出ており、原発依存度の高い地元に暗雲が立ちこめている
原子力規制委員会の有識者会合はきのう15日(2013年5月15日)、2号機建屋直下の断層を「活断層」と断定する報告書をまとめた。敦賀原発にはいくつもの断層が あるが、浦底断層につながる破砕帯のひとつが2号機の下にあった。規制委の有識者会合が昨年12月に現地調査を行い、すでに「活断層」としていたのだったが、日本原電がいわば引き延ばし工作で5か月を稼いでいた。規制委は来週にも了承する予定で、これによって7月に決まる新規制基準を満たせなくなり、廃炉以外の道はなくなる。
地元市長「「廃炉専門の会社にすることも可能」
敦賀原発から山ひとつへだてて3キロのところにある日本原子力開発機構の「もんじゅ」は、再開への準備で点検漏れが9800か所もあることわかって、 規制委からきのう「準備作業の中止」を言い渡された。「安全に対する感覚が欠けている。こういう組織が存続していること自体が問題」とぼろくそだ。
敦賀2号機をもつ日本原子力発電の濱田康男社長は「規制当局としてまことに不適切といわざるをえない」と猛反発し、地元も「早く戻ってこないと困る」「NOだけどNOといえない」「原発の話はダメ」などとぴりぴりした空気だった。無理もない。「石を投げると原発関係者に当たる」といわれる土地柄だ。河瀬一治・敦賀市長は」と苦しい言い方だ。
司会の羽鳥慎一「他のところとは反応が違いますね」
松尾貴史(タレント)「本音が聞き出せないような、抜き差しならない状況の上に生活しているということでしょうね。被害者といってもいいくらい」
取材した高村智庸レポーターは、「駅前商店街にほとんど人がいない。6万8000人のほとんどが原発と関わりを持っているんです。市の歳入の2割が原発から」という。 市民の意見も2つに分かれていたそうだ。
発電してないのに年間700億円が流れ込む日本原電
テレビ朝日の松井康真記者によると、昨年12月の現地調査でもう結論がでていたのだったが、その後、日本原電の意見を聞くとか、規制委の討議内容 を原子力規制庁の審議官が日本原電に流して更迭されたりと、奇妙な経過をたどっているという。
玉川徹(テレビ朝日ディレクター)は前からこれを追っていた。「日本原電は発電もしていないのに、電力会社が年間700億円払っている。これも問題になるだろうし、今後続けていけるかも問われる。徹底抗戦しても危ないものは動かせない」
高木美保(タレント)「事故が起こった時は日本全体の問題になるんだと学んだ。国策のミスだったのだから、きちんと手を打った方がいいですよ」
東電福島なんか、いまもって事故を「東電の社内事故」だと思ってる。