本人もここまでなるとは思ってなかったんだろうが、口にしてしまったからもう止まらない。さらに抗弁するもんだから火に油。日本維新の会の橋下徹共同代表の「慰安婦制度は必要だった」発言の収拾がつかなくなってきた。
きのう15日(2013年5月)夕方、丸1日おいて姿を見せた橋下は持論を重ねた。「人権感覚もない野蛮な時代なんですから、今の感覚で考えたら認められませんよ。でも当時は必要だと考えていたのはわかるでしょうということ。外国でもやっていたし、なぜ日本だけが…」と繰り返した。でも、沖縄の米軍司令官に「風俗業を活用して」と言ったのは、「今の感覚」じゃないのか。
盟友の安倍首相、渡辺みんなの党からも総スカン
この日、大阪市役所前には抗議の女性150人が集まって、「暴言の撤回を求める」などと抗議の声を上げた。「どうしても許せない」「人権無視はとても上司としては扱えない人だ」「辞任を求めます」と気勢を上げて、抗議文書を届けた。
韓国・ソウルの日本大使館前では、元慰安婦らが集会を開き、橋下発言に抗議した。来週にも慰安婦らが来日して橋下に面会を求めるという。
この橋下発言、自民党の高市早苗政調会長の発言にコメントを求められてのことだから、とんだとばっちりというわけだが、根が強気の橋下が抗弁すればするほど周囲が引いていく。安倍首相もきのうの参院予算委で「慰安婦の方々は筆舌に尽くし難いつらい思いに心から同情している」と述べて、橋下発言が「自民党と全く違う」とした。
維新の会と選挙の協力まで進んでいたみんなの党の渡辺喜美代表も、「代議士会で『維新の会の肩を持つな』ときつく申し渡した」といった。「(橋下、石原)両代表が言ってるわけだから、党の見解だろうと普通は思いますよね。古色蒼然たるレトリックで戦時体制を賛美する政治勢力とは一線を画していく」という。これは維新の会としては痛い。