高齢化で過疎化が進む兵庫県養父市から荘口彰久リポーターが伝えた。配送中のヤマト運輸のトラックが食料品店の前で止まると、ドライバーが降りてきて店に入りあれこれ買い物を始めた。「あれ!仕事中に買い物をしていいのですか」
実はこれ、「足が悪くて買い物に行けない」」「荷物が重くてたくさん買い物できない」という高齢者のニーズに応えた代行サービスだった。こうした高齢者向けの新サービスが各地に広まっている。
内閣府調査でも「一番困るのは買い物」
内閣府が高齢者を対象にアンケート調査をしたところ、「高齢者の方々が一番困っているのは買い物で、約2割弱とトップ」(荘口)だった。千葉県花見川市の花見川団地ではペダルをこぐ人前には2人座席という、あまり見たことがない3人乗り自転車が走っている。花見川商店街が高齢者の買い物をサポートできるようにと特別に製作したものだ。
高齢者の比率が高い東京足立区にある花保商店会では老人会と組んで、高齢者の買い物支援を開始した。商店会の副会長は「高齢化が進み、お客さまの数が減っています。何かを始めないと私たちの死活問題になるということで、この無料新サービスを始めました」と話す。高齢者が行きたいお店に軽自動車で送迎するもので、住民の江良セツさん(87歳)は「私は骨粗鬆症になり、これまでは買い物に出るなんてできませんでした。買い物が一番楽しい。いろいろな人と出会えるし、お店の人とも話ができるから」と喜んでいる。
行政は急げ!超高齢化時代の住民サービス
メインキャスターの小倉智昭がコメンテーターの加藤友朗(コロンビア大学医学部外科学教授)に「アメリカでは高齢化社会問題にどれほどの関心が寄せられていますか」と聞く。加藤教授は「年々関心が高まっています。日本は間もなく世界に先駆けて超高齢化社会を迎えます。行政もこういう高齢者向けのサービスを考える必要があると思います」と話す。
菊川怜キャスター「小倉さんも60代後半になりますよね。高齢化問題をどう考えているのでしょう」
小倉「60代になるまでは無頓着だったけど、60代後半になり、同窓会や同級会に出てもこの話ばっかりだよ」
高齢者サービスというと「お世話」をすることになりがちだが、求められているのは高齢者の社会参加だろう。