うまいこと考えたもんだ。世の中、スマホやケータイが普及して「本屋離れ」が心配されているが、この書店にはお客が殺到している。東京・神田神保町の老舗「書泉グランデ」だ。その理由がまた凄い。店内を舞台とした脱出ゲーム「本屋迷宮」を出版して、マニアが押し寄せているのだ。
ヒットの「本屋迷宮」片手に謎解き
「スマホ」「ケータイゲーム」に詳しくない人のためちょっと説明すると、「本屋迷宮」は「書泉グランデ」のビル全体を使って脱出ゲームをしてもらおうというものだ。グランデ内に1歩踏み込んだら、次々と謎を解いていかないと店外に出られない設定になっている。
その店内で殺人事件が発生し、「本屋迷宮」という本を開くと「〇〇はショーケースの中を眺めていた」「ケースの中には鉄道に関するさまざまな道具や看板が飾られている」「突然、軍人が目の前に現れた」などとヒントが書かれていて、記述を頼りに「書泉グランデ」の中を次々にめぐっていくと、殺人事件が解決できるというストーリーになっている。脱出ゲームとしても楽しめるし、店の中で本に関するいろいろな発見もできるのだという。
もっと本屋さんに足運んでもらおう
実際に体験してみた岡安弥生キャスターも「凄い。車の本ばっかり!」「こんなに専門的な本っていっぱいあるんですね」とはしゃいでいる。日本書店商業組合連合会の舩坂良雄副会長は「本屋に来なくても電子書籍とかで本が見られる時代になって、お客様のニーズが多種多様になっている」という。それをもう1度、街の本屋さんに回帰させようというのが「本屋迷宮」の狙いだ。
「書泉グランデ」広報担当の鈴木英理花さんはこう言う。「ゲームをすることでお店の商品ラインナップが自然と頭に入る。それにより、書泉グランデという書店の面白さに気付いて欲しい」
司会のみのもんた「考えたねぇ。この企画を考えた人の給料上げてやろう」
岡安キャスターによると、「本屋迷宮」はすでに1万部が売れて、増刷も検討されているという。休日ともなるとゲームの参加者が1日500人も殺到して、お店の外にも客が溢れるそうだ。でも、ゆっくりと本を探したいという客にとって、ゲーム客は目障りだったり、邪魔だったりしないのだろうか。それともそういう本来の客が不満を持っても来店者を集めなければならないほど、客足が減っているということ?
(ヤスベエ)