全米ライフル協会の圧力で「銃規制法」否決
コネティカット州の小学校で昨年12月に銃乱射事件が発生して児童20人を含む26人が死亡した。この事件をきっかけに、オバマ大統領が銃の規制強化に乗り出し、銃購入の際の身元確認義務をインターネット販売でも取り入れる銃規制法案の成立を目指した。しかし、先月の上院で、野党・共和党の支持団体である全米ライフル協会の影響で否決されたしまった。ロバート・キャンベル(東大教授)はこう解説する。
「銃を子どもが所持することは違法ですが、親が所持する形なら子どもも自由に使うことができます。子どもが使ってはいけないと法で定めた州は1州もありません。昨年12月の銃乱射事件の後、銃規制の是非を問う世論調査では9割以上が銃規制の強化を支持しています。それなのに上院で可決できないのは、全米ライフル協会の強力な政治家たちへのプレッシャーと、後ろに銃製造業者が一体になっているからです。
来年に中間選挙がありますが、ニューヨークのブルームバーク市長が主張しているのが、『誰が議会で(銃規制に)反対したかを忘れず、選挙に反映させるように記憶し続けないといけない』ということです。所持だけではなく、子どもの使用も禁止しないとダメです」
上院で否決された日、オバマ大統領は「ワシントンにとって大いに恥ずべき日だ」と怒りをぶちまけたが、喝采した連中も少なくない。兄が妹を殺傷した親は、それでも銃は必要というのだろうか。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト