プロ野球打者として通算2000本安打を記録することは一流の証明だ。名誉ある名球会入会の資格条件でもある。それがおととい5日(2013年5月)ときのうの6日、2日続けて達成された。元巨人監督の長嶋茂雄と元大リーグ選手の松井秀喜への国民栄誉賞受賞で沸いたゴールデンウイークだったが、これはこれで祝福すべきニュースだ。
2日続き…43人目の翌日に44人目
「2日続けて2000本安打が出たのは、プロ野球史上初めてのことです」と司会の小倉智昭が伝える。5日に達成したのはDeNAの中村紀洋内野手(39)で、プロ野球43人目。2162試合目での達成はこれまでで3番目に遅い記録だった。きのう2000本目を打って44人目となったのは、中日の谷繁元信捕手(42)。ヤクルト戦の6回、第3打席でライト前にきれいに決めて、ゆっくり1塁へ走り込んでガッツポーズが出た。プロ25年目、42歳と4か月での達成は、これまでのヤクルトの宮本慎也選手の41歳5か月を抜いて最年長記録となった。「(ガッツポーズは)スタンドに子どもさんがいたんですよ。きのうが誕生日でした」と小倉が伝えた。
打順下位で打席数少ない中での偉業
谷繁は捕手として野村克也、古田敦也に次いで3人目だ。小倉が解説する。「野村選手や古田選手は上位でクリーンアップを打っていた。谷繁という人は7番、8番という下位で打っていましたから、当然、打席数も少なくなりますので、時間もかかったということですが、優勝も経験した谷繁選手にまたひとつ勲章が増えました。おめでとうございました」
谷繁は番組では「最近打席に入るごとにものすごい声援を送っていただいていたので、(達成して)気持ち良かったですね」と語っていたが、別の報道では「コツコツ積み重ねてきた結果です」と話していた。その通りだろう。どちらといえば地味な選手だ。その選手が40歳過ぎて偉業を達成したということは多くの年配者にとって励みになったに違いない。