明るい青の車体に低い車高。そして、後ろにはエアースポイラーが付いている。いかにも軽快な印象のスポーティーなクルマだ。千葉県でスバルのインプレッサ盗難事件が頻発している。なぜインプレッサが狙われるのか。
発見されてもエンジン外され丸焼け
千葉県四街道市にある住宅の駐車場でもインプレッサは盗まれた。深夜の午前1時頃、エンジン音に気づいた高橋純一さんが外に出ると、2人組のうち1人が、所有するスバル・インプレッサを運転して走り去ろうとしていた。高橋さんがとっさにクルマにしがみつくと、20メートルも引きずったまま走った。「なぜ家にインプレッサがあることを知っていたのか。事前に下見をしていたとしか思えない」と高橋さん話す。
山本里香リポーター「高橋さんの車はその後に千葉県内で発見されましたが、エンジンなどの主要部分は外され、車体は黒こげの状態でした」
司会のみのもんた「なぜ、特定のクルマばかりが狙われるのかな」自動車評論家の国沢光宏は「インプレッサは海外でも人気のある車種です。日本国内で200万円で買えるとしても、極東やアジアなどではその倍の400万円以上で取り引きされています」と説明する。
車盗難に甘い日本―ハンドルロックや警報ブザー必需
コメンテーターの潟永秀一郎(「サンデー毎日」編集長)「国内で盗難にあった車はほとんど海外に持ち出されています。しかし、車のまま海外に送り出そうとすれば規制が厳しい。そこで、主要部品などを取り外して、パーツとして送り出せば規制は緩くなります。高橋さんの車のパーツが外され、車体が燃やされたのは、犯人たちが証拠隠滅を図ったからでしょう」
国沢は「日本人は自分の車の盗難について認識が甘すぎます。盗まれても運が悪かったで済ます人が多いのですが、ハンドルにロックを掛けるとか、ドアをこじ開けようとしたら警報装置が作動するとか、何重もの盗難対策を取るべきです」
ただ、警察は盗難防止ブザーが鳴っても一人慌てて駆けつけるなと注意を促している。盗難犯が武器を持っていたりすると、帰って危険なこともあるからだ。