頑張れ写真誌!「フライデー」に休刊説―近ごろ張り込みネタに勢いないゾ
私が案じていたとおり、日本の電子書籍はいっこうに盛り上がらない。本の数は増えてきてはいるが、出版社にとってのビジネスモデルなど遠い遠い夢である。だが、アメリカではデジタル新聞が健闘しているようだ。
<今年3月末(2013年)までの半年間の主要新聞の平均発行部数では、有力紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)が昨年の同時期と比べて18%増の186万部となり、昨年の3位から2位に浮上した>(asahi.com5月1日付より)そうである。内訳は紙媒体が73万部だが、デジタル版が113万部と好調で、主要紙の中では、ただ1社、デジタルが紙を上回ったという。ウォールストリート・ジャーナルは約12%増の237万部で、首位を守ったとある。
見出しに「デジタル版、紙の部数追い抜く NYタイムズの話です」とあるのは、自分のところのデジタル版がうまくいっていないので気恥ずかしいからだろう。このままいくと、日本の新聞、出版はデジタル化で疲弊していかざるをえないと思うのだが、うまい打開策はないようである。
先に講談社が女性誌2誌を休刊にしたが、このところ講談社の人間に会うと、『フライデー』休刊が近いうちにあるのではないかとしきりに言っている。たしかに編集長が代わり、新聞広告はお洒落になったが、内容は褒めたものではない。原発などの硬派の記事はまだいいのだが、売り物の張り込みネタに勢いがない。5月3日号の「堤義明 最後の女と2ショット」にはのけぞった。やって悪くはないが、売り物にはなるまい。
光文社の『フラッシュ』も部数が低迷して久しい。実売が30%台もあると聞くから、往時600万部あったといわれる写真誌がすべて消えるのもそう遠くないかもしれない。何とか頑張ってほしいものだが。