あす3日(2013年5月)は憲法記念日。玉川徹(テレビ朝日ディレクター)が「そもそも総研」コーナーで憲法をとりあげた。安倍首相は「憲法を日本に取り戻す」が持論で、夏の参院選で憲法を争点にするといっている。要するに改憲、だたし96条の改憲手続きを攻める戦略だ。これに意外なところから異論が出ていた。
アメリカ、ドイツ、韓国も「改憲発議」は3分の2の賛成
「ゴーマニズム宣言」の漫画家・小林よしのり氏は改憲派で知られるが、安倍のいう改憲には反対だという。どういうことか。安倍のいう96条改正というのは、現行では「衆参各院の総議員の3分の2以上の賛成で国民投票」となっているのを、「過半数」にするというもの。また、国民投票では「過半数の賛成」と漠然としていたのを、安倍は2007年、憲法改正国民投票法を作って「有効投票の過半数」と決めている。小林は「極端なことをいうと、国民投票の投票率が40%だと全体の20%の賛成で通っちゃうことになっている。今度は国会議員の方のハードルを下げるから、政権がいいように改憲できてしまうということ」という。
アメリカ、ドイツ、韓国を見ても、議員の発議ではみな「3分の2」だ。さらに州議会や国民投票など厳しい条件がついている。小林は「変えやすくするのは反対」という。「立憲主義が成り立たない。近代憲法は国民が国家を縛るのが原則。それを権力がいいようにできたら、立憲主義が崩壊してしまう。危険だ」と危機感を募らせている。やはり改憲派の小林節・慶大教授は「改正ルールの緩和を権力者側が言い出すのは、憲法の本質を無視した暴挙だ」という。
しかし、自民党草案を作った船田元・憲法改正推進本部本部長代行は「衆参すべての議員の2分の1以上と国民投票での2分の1以上でも、一般の法律よりはハードルが高い。変えやすくすることで、憲法を国民の手に渡すことになる」という。
これに松尾貴史(タレント)が「そうは思わない」と色をなした。高木美保(タレント)も「ある憲法学者は、政府が改憲を言い出すのは違憲であるとまで言っていました。船田さんの話もわれわれが主体になってる。国民がろくに考えもしないときに、どさくさまぎれ。経済で調子がいいといっても、これとは別です」とキッパリ。