家族で楽しんだ潮干狩り。子供がやった!と歓声を上げたアサリを持って帰り、味噌汁にして食べたら手足が痺れ始めた。大阪を中心に、貝による中毒が関西方面で広がっている。ある潮干狩り場入口には、採れた貝は持って帰らないようにと呼びかける看板まであった。
国の規制値の66倍の貝毒―過熱しても有害
奥平邦彦リポーターが大阪府貝塚市にある潮干狩り場を取材した。「ここのアサリからは国の規制値の66倍の貝毒を持つものが見つかっています」と報告する。
司会のみのもんた「なぜアサリがそれほどの猛毒を持っているの?」
奥平「環境問題などにより、大阪湾の水はきれいになりましたが、その代わりに府内沿岸部では毒素を持ったプランクトンが発生するようになったんです」
アレキサンドリウム・タマレンセというプランクトンで、その毒素がアサリなどの二枚貝に蓄積し、加熱調理しても毒素は弱まらない。潮干狩り所管理者は「保健所からここのアサリは危険だから、お客さんが持ち帰らないようにして下さいという注意を受けました」という。アサリを持ち帰ろうとする家族連れには、九州方面から取り寄せたアサリと交換するようにしている。
舌や唇がしびれ、死に至る最悪ケースも
さらに、奥平は兵庫県芦屋市の海岸からレポートする。「この時期、この辺の海岸は潮干狩りを楽しむ家族連れなどで賑わいます。しかし、今年は人の影がほとんど見えません」
大阪府立環境農林水産総合研究所水産技術センターの山本圭吾主任研究員は、「まひ性貝毒は加熱調理しても毒性は弱まりません。食べると舌や唇がしびれ、最悪の場合は死に至る可能性もあります。安全宣言が出るまで、大阪湾の二枚貝は食べないで欲しい」と注意を呼びかける。
なぜ毒性の強いプランクトンが発生するのか。その原因はまだわかっていない。