富士山がユネスコの世界文化遺産に登録される見通しになった。6月(2013年)にカンボジアで開かれる世界遺産委員会で正式に決定される。世界文化遺産候補を審査する世界遺産委の諮問機関「国際記念物遺跡会議」(イコモス)が、富士山とその周辺施設は世界文化遺産にふさしいと勧告した。
「三保松原」除外なぜ?45キロと離れすぎ
ただ、三保松原は富士山の構成遺産から除外すべきだという条件付きで、一つだけ富士山から45キロと離れすぎているというのが理由らしい。
静岡県世界遺産推進課の杉山泰裕課長は「除外は残念。富士山頂を含め、物証は25か所あるが、三保松原は芸術の源泉の柱になっており、物証として不可欠であるとの考えに変わりありません。三保松原を含めて登録されるということで文化庁や地元自治体と連携を図りながら6月までに対応したい」という。
同時に推薦されていた武家政治発祥の古都・鎌倉は歴史的価値を認めながらも、物的証拠が乏しいとの理由で不登録になった。
評価されたのは「山岳信仰の聖地」
キャスターのテリー伊藤「日本人として嬉しいが、本当は世界自然遺産にして欲しかったですよ。文化遺産ではまた汚れる。富士山は人間が作ったものでありませんからね。あくまで自然遺産なんです。誰が管理するんですか。お金儲けのネタの一つになると思っちゃいけないのではないか」
宮崎哲弥(評論家)「メインの理由が山岳信仰ということで、いわば聖地です。聖地なりの努力が必要だということでしょう」
たしかに、文化遺産に対して日本では「人集めの道具」と考えがちだし、山岳信仰の聖地という発想も乏しい。改める機会になればいいのだが…。