「週刊人物大辞典」コーナーに東大野球部監督の浜田一志さん(48)が登場した。東京6大学野球で連続15年最下位。いや、その前だっていつも最下位なんだけど、なんとか脱出しようという心意気やよし。
この日曜日(2013年4月21日)、早稲田大の高梨雄平投手(3年)が完全試合を達成したが、その相手が東大だった。この日が連敗50試合目だった。監督は「最悪ですよ。ロッカールームでは泣き崩れてました。それくらい悔しさがないと」という。「Remember 4.21」という張り紙もあった。
ただいま50連敗中…この春リーグの目標「せめて1勝」
浜田監督は「東大が強くないとは思わない」という。現役時代は4番を打ち、キャプテンも務めた。卒業後は学習塾の塾長をしていたが、「なんか野球の虫がうずいてきて」と、去年11月に監督に就任した。
推薦入学のない東大では、甲子園で活躍したような選手をとるのは無理だ。そこで、2008年から高校球児に「東大に入らないか」とボランティアで受験指導を始めた。現にそうして入学できたという部員がいた。2年生の関正嗣投手(20)は「勉強の指針を教えてもらった」という。
監督に就任すると、元巨人の桑田真澄氏らプロをコーチに招き、球場整備の募金集めなどもしている。「勝ったという楽しさを知ってますから、後輩たちにも味わってもらいたいという気持ちです」。塾長経験から割り出した勝利への最強の方程式とは、(1)東大生の自覚を持て(2)得意分野で100点をとれ(3)プラス5(0.5秒早く走る、太ももを5センチ太くする)だ。小さな成功体験が大きな目標につながる。春リーグの目標は1勝、連敗ストップ。「優勝もできる。いつになるかわからないけど」
司会の羽鳥慎一「推薦入学がダメなら、野球のうまい子を東大に合格させればいいじゃないかと」
飯田泰之(駒澤大准教授)「進学校だって、開成なんか野球で善戦している。そういうのを入れれば…。ボクが在学中は5位になってる」
羽鳥「その時の6位は?」
長嶋一茂(スポーツキャスター)「わが母校、立教です」
赤江珠緒キャスター「スポーツと勉強の両立が、この塾長の教えを守るとできそうな感じがしますね」
「頭良くて、野球でも越されたら、オレたち何も残らないからコッチも必死」
そこで羽鳥が日付を持ち出した。「浜田さんはひと試合に2本のホームランを打った。1985年5月27日、3年生のときで、対戦相手は立教」
長嶋「ボク見てますね。覚えてるかというわれると、何となく」
羽鳥「一茂さんが覚えてない理由を教えましょう。一茂さんはこの試合に出てます。2年生で4番でした。なんで覚えてないかというと、4打数ゼロ安打、失策1(一茂爆笑)。忘れたいんです」
長嶋「そんな勝手な」
羽鳥「2―1で東大が勝ってます」
長嶋「負けたんだ。東大のイメージは逆ジャイアンツ」
羽鳥「逆ジャイアンツ?」
長嶋「誤解しないで聞いてほしいんですが、頭がいい、それでスポーツも越されたら、オレたち何も残らないじゃないかといつも先輩からいわれて、東大には絶対負けるな。東大に負けたら人間じゃねえぞくらいいわれた4年間でした。
だから、お前たちここで負けたって、いいところに就職できるじゃねえかってヤジをずーっといってました」(爆笑)
長嶋はもう止まらなくなった。「東大生の自覚ね。京大がアメフット強かったけど、東大が野球でそうなってもおかしくはない。東大が強くなると6大学のレベル は上がります。何度もいいたくないけど、東大には絶対負けたくないから」(爆笑)