東急・東横線と東京メトロ・副都心線が渋谷駅でつながり直通運転が始まってから1か月余りが経過したが、駅の乗降客に変化が出てきた。東横線沿線の利用客が渋谷駅を素通りし、副都心線の新宿3丁目駅に流れ込んでいるという。大竹真リポーターが新宿3丁目駅周辺を取材しそのわけを探った。
伊勢丹120%の集客アップ
1か月余りで新宿3丁目駅の乗降客がにわかに増えた。休日で7割、平日でも4割増だ。東京メトロ広報部では「東横沿線に住む人たちが乗り換えなしで簡単にアクセスできるようになり、買い物にこられる方が増えたのが大きい」という。
新宿3丁目駅で東横線・日吉駅から来たという男性に聞くと、「渋谷だと降りたあとが面倒臭く、新宿のほうが楽だと思って」と話す。目黒線の洗足駅から田園調布駅で乗り換えやって来たという主婦も「駅を降りて店にいくのが早いし、雨に濡れずに済み、来やすくなった」という。今までは乗り換えがあって遠いと感じていたのが、東横線・自由が丘駅からだと特急なら14分、横浜駅からでも特急なら32分で来られるのが大きい。
新宿3丁目駅の地下改札口を出ると、「伊勢丹」の地下入口はすぐ目の前だし、ビックカメラとユニクロの共同出店「ビックロ」や「新宿マルイ本館」など、大型商業施設も地下通路で直結している。地上に出れば近くに若者に人気のH&MやFOR EVER21、BARNEYS NEWYORKなどもある。伊勢丹は昨年3月に比べて集客数は120%増と喜ぶ。
地上に出るまでが面倒臭い。銀座線・渋谷駅は乗客1割減
一方、一夜で東横線と副都心をつなげて話題となった渋谷駅だったのに、地下5階から地上に出るまでがひと苦労なのか、皮肉にも人気がない。銀座線・渋谷駅の乗降客は1割減という。
司会の加藤浩次「GWで各地から来る人は『便利になったね』と感じるかもしれませんね」
キャスターのテリー伊藤「伊勢丹の力が大きいですね。多くは主婦ですが、夜になると男性も飲み屋街が多いから新宿に行きたくなる。ただ、渋谷にも頑張ってもらわないと」
1か月あまりで早くも明暗交々だが、渋谷駅周辺の再開発は途中なので勝敗の行方はまだ分からない。