昨年12月(2012年)に起きた中央高速道路の笹子トンネル事故を受けて、東日本・中日本・西日本高速道路3社はきのう25日(2013年4月)、橋やトンネルなどの老朽化対策費用として、今後100年間にわたり3社合計で5兆4000億円から最大10兆6000億円を必要とするという試算を公表した。3社が管理運営する高速道路は約8700キロであり、そのうち開通して30年以上経過している道路は3200キロ、約4割になる。橋の1200キロ、トンネルの800キロの老朽化修繕にはとりわけ費用がかかる。
ムダな道路建設止めて修繕費に回せ
インフラ老朽化に詳しい東洋大経済学部・根本祐二教授はこう解説する。「道路会社の年間の利益は160億円くらいしかありません。どうみても、この利益の中でやりくりできるレベルではないわけです。税金なのか、あるいは通行料の引き上げなのか、いずれかで対応せざるを得ないことになると思いますね」
今秋にも有識者委員会で老朽化対策の優先順位や工事の実施時期など、提言をまとめる予定という。司会のみのもんたが「やらざるを得ないでょう。事故が起きたらエラい事になるよ。10兆円で済むならやるしかないと思うけどねえ」と話す。
与良正男(毎日新聞論説委員)「やらなきゃならないのは絶対ですが、いつもの事ながら、どこからお金を持ってくるかという事でしょう。2050年には無料にしますよと言っていたが、有料の期間を延ばすしかないでしょう。きのうの会見では、各社とも国と相談すると言っています。つまり、財源をどうするかという話はまだ至ってない。早く進めるなら税金を使うか、という話になるのだと思いますね。
道路公団が民営化されると、むだな道路はつくらないし経営も効率化されると言われていましたよね。けれども、道路を抑制するっていう話はないですし、民営化ってなんだったんだろうって思いますよ」