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マックのチキンナゲット危ない?中国ものは全部毒には違和感

   『週刊文春』は中国産の食品が危ないシリーズを続けている。今回は「あなたはそれでもチキンナゲットを食べますか? マクドナルドの中国産鶏肉が危ない!」をやっているが、やや期待はずれの内容である。根拠は今年1月(23013年)に中国共産党系機関紙『北京青年報』がこういうニュースを掲載したからだというのである。

「河南大用食品グループが、病気で死んだ鶏を長期にわたって加工販売し有名ファーストフード店で売っていた、との情報がネットに流れた」

   だが、「地元の食品安全委員会は緊急会議を開き、直ちに同社の調査を始めたが、今のところ病死した鶏が市場に出回ったという証拠は見つかっていないようだ」とも書いてあるのだ。

   週刊文春は「対岸の火事のはずだったこの騒動が、日本に飛び火しようとしている」と書き、「日本マクドナルドは本誌の取材に対し、『鶏肉原料の一部に河南大用食品グループの鶏肉を扱っている』と認めた」と鬼の首を取ったように追及している。

   マクドナルド側は「ジューシーチキンフィレオ、チキンクリスプなど、チキンメニューの原材料につきまして、中国、タイ産が使用されております」と答え、なお「検査機関(日本食品分析センター)と相談し、食品衛生法の残留基準に準じて、その都度設定しております」といっている。

   たしかに、中国に限らず外国産に日本人の食を預けてしまっている現状は改善しなければいけない。だが、中国で採れたものだから全部毒だといわんばかりの書き方には違和感を覚える。当然ながらマクドナルドにとって、こう書かれることはイメージダウンになり、売り上げに影響が出るかも知れない。マクドナルドに訴えられたらと、いらぬ心配までしてしまう。

   嫌中、嫌韓の空気がますます広がり、その機を利用しようというナショナリスト政治家と結びつくと、どんなことになるか。考えただけで恐ろしくなる私は、きっと臆病者なのだろう。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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