いや、びっくりした。80歳で3度目のエベレスト(標高8848メートル)登頂を目指す冒険家の三浦雄一郎さんが、高度順応訓練中のプモリの5700 メートル地点から、衛星電話でスタジオの司会・羽鳥慎一と普通にしゃべった。しかも、不完全だが画像までが届いた。いやはや、SF作家の小松左京や漫画家の手塚治虫に見せてやりたい。
いまは高度順応訓練中…空気は平地の半分、頂上は3分の1
羽鳥が「三浦さーん」と呼びかけると、「あ、おはようございます」と出てくる。羽鳥「そちらはいま午前6時すぎ」
三浦「日は昇りかけてるけど、ここまで陽は差してません」
羽鳥「気温は?」
三浦「体感ではマイナス15度くらいで、寒いです」
羽鳥「体調はいかがですか」
三浦「非常に良好です。20日間くらい登ったり下ったりで体を慣らしました」
まあ、こんな調子で話が進む。
羽鳥「今日のご予定は?」
三浦「あと4、5時間したらベースキャンプ(5300メートル)へ下ります。そしてエベレスト本峰への訓練が始まります」
海外の中継でよく見られるタイムラグもない。東京で話してるような感じだ。
高木美保(タレント)「近いですね。お隣と話してるみたい」
松尾貴史(タレント)「間が空かない」
羽鳥がフリップの絵を示して、「ここでしゃべってるんですよ」という。エベレストの登山ルートがあって、それに向かい合うプモリ(7161メートル)の斜面の途中だ。赤地に白抜きで「5700m」とある。富士山より2000メートル、ヨーロッパアルプスより1000メートル高い。それがどんなに過酷か。空気の薄さは、富士山の頂上で平地の3分の2、プモリの5700メートルで半分、エベレストの頂上では3分の1になる。しかも 三浦さんは80歳だ。