4・28主権回復式典―新右翼「沖縄を忘れてる。米国の言いなりでどこに主権が…」

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   テレビ朝日ディレクターの玉川徹が「今度の日曜日が主権回復の日って知ってましたか」と問いかける。司会の羽鳥慎一は「はい、報道で」といったが、玉川は「知らない人も多いと思う。これ何なの?」

   政府は3月12日に「4月28日に主権回復・国際社会復帰を記念する式典を開催する」と閣議決定した。「突然なんで?」とみな驚いたが、実は先の選挙で自民党の公約だった。にしても「なんで?」だ…。

沖縄選出の自民党議員「まだ出欠迷ってる」

   1952年4月28日は前年9月のサンフランシスコ講和条約(ソ連など共産圏を除く部分講和)で、日本が主権を回復するとされた日だ。ただ、講和条約では沖縄、小笠原諸島などはアメリカの信託統治下におかれ、渡航にはパスポートが必要だった。南西諸島の返還は奄美が1953年12月25日、小笠原が68年6月28日、沖縄は20年後の72年5月15日だった。だから4月28日は沖縄にとっては「屈辱の日」。主権の回復なら5月15日だという思いがある。

   安倍首相はこれを問われて、「占領下から主権を回復する戦いの第一歩の日」と苦しいいい訳をしていたが、そもそも公約は「建国記念日」「竹島の日」と並んで、国として祝典を行うと主張していて、なんとなくきな臭いものだった。

   玉川は沖縄選出の自民党・国場幸之助議員に聞いた。「戦後の矛盾も可能性もここから始まっている日として忘れてはいけない日だと、自民党が長年考えてきたのだと党執行部は説明した」という。しかし、閣議決定でも式典の案内状にも「完全な主権回復」とあって、沖縄県民としては複雑。国場議員は祝典への出欠締め切りを過ぎたいまも悩んでいると話す。

   返還を達成した佐藤栄作元首相の「沖縄が還らない限り戦後は終わらない」に代表されるように、橋本龍太郎、梶山静六、小渕恵三、野中広務ら自民党幹部は沖縄への配慮を忘れなかった。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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