目の前で溺れる人がいたら、あなたは救助の手を差し伸べることができるだろうか。おととい23日(2013年4月)、大阪府此花区の淀川の伝法大橋から区内に住む女性(61)が転落し溺れかかっているのを大阪市環境局職員の橋本健治さん(51)が発見した。橋本さんは「ぼくが助けに行きます」と川に飛び込んだが、2人とも帰らぬ人となった。いつもは職員に厳しい橋下徹市長だが、今度ばかりは橋本さんの行為を「最大の敬意を表したい」と述べた。
同僚「男気のある人。正義感が強かった」
橋本健治さんは大阪市の環境局で高齢者や身体の不自由な人を手助けするふれあいサービスの仕事を担当していた。おとといの夕方、たまたま自転車で伝法大橋を通りがかった。女性と面識はなかったが、すぐ岸に下りて靴と靴下を脱いで助けに向かった。だが、水深4、5メートルの淀川で女性を救出することはできなかった。2人は急報で駆け付けた大阪市の消防隊員に救助されたが、搬送先の病院で死亡が確認された。
橋本さんの同僚は「男気のある人。困っている人をみると黙って見ておれない性格で正義感が強かった」という。近所の人たちとソフトボールのチームをつくっていて、仲間の1人は「いったん打ち解けると、とことん面倒みるタイプ」と話す。
文
一ツ石| 似顔絵 池田マコト