「6万円代の学生下宿」というと郊外のボロアパートと相場が決まっているが、都心の、しかも新築高層マンションがなんと6万5000円で貸し出されているというからビックリだ。話題の物件は東京・神田淡路町の「ワテラス」という複合施設で、敷地内には複数の飲食店も入っていて、マンションというよりは、イマドキのオフィス・店舗ビルのといった感じだ。その最上部に「学生下宿」はある。
「お祭」「運動会」「イベント」「夜警」地元神田の地域活動に参加すること
学生向けワンルームマンション(20平方メートル)は複合ビルの14、15階に36室あって、どの部屋からも東京スカイツリーが見える。中庭もある。JRお茶の水駅から徒歩4分、周囲は古くからの甘味どころやあんこう鍋、先日焼失し再建中の老舗そば店が軒を連ね、下町の風情がたっぷり残る。エアコン、ベッド、机、冷蔵庫、電子レンジ、ドラム式洗濯機などの家具や家電はあらかじめ備え付けられていて、家賃の6万5000円(管理費1万円)は相場の3割安だという。ただし、入居に条件にある条件があった。やっぱり…。いや、これが大して難しいことではなく、「学生であること」と「地域活動に参加すること」だった。地域活動に参加って、いったいなのをやらされるのか。
このプロジェクトを進める「かんだやぶ蕎麦」の堀田康彦さんが言う。「父、私、そして自分の子供が卒業した学校が、少子化の影響でなっくなっていく現実を目の当たりにして、若い学生たちにも住んでもらいたいという思いが次第になってきたんです。でも、ただ入居しただけでは地元とつながりませんので、地域活動に参加して町の子になってもらいたいと思ったんですよ」
たとえば、先週行われた「ワテラス・マルシェ」もその一つ。施設内に出店を募り集客を狙う一種のお祭りで、学生たちはその手伝いを義務付けられた。このほか、神田祭や運動会への参加、夜警、地域の清掃、防災訓練参加などもある。これらが1~0・5ポイント制になっていて、年間に12ポイントためなくてはいけない。でも、学生たちにとってもこういう行事に参加できるのは楽しいんじゃないか。
ただ住むだけじゃなくて「町の子」になってもらいたい
司会のみのもんた「アイデアですよね」
片山善博(慶応大教授)「地域に自分たちも主体的に関わっていくというのはいいことだと思いますね」
逢坂ユリ(資産運用コンサルタント)「学生さんだけじゃなく、シニアの方にも広げていくと、コンパクトシティになって介護とか病院とか便利になりますよね」
取材した岡安弥生キャスターは「羨ましい、羨ましい」を連発し、一人の学生が部屋の中を見せてくれた。すると、ベッドに枕代わりのクッションが2つあった。司会のみのもんたはすかさず見つけて「なんで2つあるんですかね」
岡安「ええ、まあ」
みの「だから、なんで2つなの」
岡安「そこは、もういいですから…」
みの「いいの?」
そう、親が心配するのはそこなんだよ。
(ヤスベエ)