本当の顔は誰も知らない…目が離せないこれからの展開
落ちこぼれで引きこもりの次男・茂之のために、両親はネットで見つけた自称「東大合格率100%の天才家庭教師」というふれこみの吉本を雇った。吉本には茂之を学校に通わせ、長男・慎一が通う名門校に進学させる条件が課せられた。すでに5人の家庭教師が匙を投げ、逃げ出している。父親から「1週間以内に登校させれば、ボーナス10万円」と持ちかけられ、自信満々の吉本は「5日で結構。ただし、口出しは一切無用」と答え、絶妙な駆け引きや型破りな行動で見事クリアするのだった…。
茂之が登校拒否になったのは、学校でいじめられ、唯一の親友に裏切られて絶望したのがきっかけだった。そんな彼をトイレなし、風呂なし、窓もドアも開かない部屋に閉じ込めて兵糧攻めにする。同時に、吉本は茂之の学校を調査して、茂之にまつわる話を聞きこんでくる。それを茂之に吹き込み不安を煽る。
熱血先生や熱い友情、固い絆といった学園ドラマに不可欠なものは一切出てこない。見るに耐えないいじめのシーンや友情のかけらもない殺伐とした学校生活、吉本の仕組んだ罠にかかってもがき苦しむ茂之や家族の姿など、スカッとする要素もまるでない。それをひっくり返すような吉本の決め台詞が印象に残っていく仕掛けになっている。
「何でも一人で背負い込むな。何があっても俺はお前の味方だ」
「こんな世界にも希望はある、確かに。だが、現実はお前が思っているより残酷なんだ。だから強くなれ」
虐待にしか見えない仕打ちにそれぞれ意味や理由があることを暗示しており、今後目が離せなくなるという寸法だ。怖いもの見たさの視聴者を釘付けにし、より一層の盛り上がりが期待できそうだ。
知央