安倍首相はおととい20日(2013年4月)、山口県知事選の応援で首相就任後初めてお国入りし、「6年前、私は参院選で惨敗しました。参院選に勝つ、これは親の敵のようなものです」と語った。そこで繰り出したのがアベノミクスの第3の矢だ。金融緩和、財政出動に続く成長戦略だが、核のひとつが「女性」だった。
「3年間抱っこし放題での職場復帰を総合的に支援してまいります」
19日の日本記者クラブではこうも語っていた。現行の「原則1年、最長でも1年半」の育児休業を3年に延長するというのだ。1年でもきっちりとはいかないというのに、どうやって3年も取れるようになるのか。
経営側は二の足「中小企業は難しい。できるところから…」
財界首脳との懇談では「女性役員の登用」で協力を要請した。財界側は「中小企業ではむずかしい。できるところから」(岡村正・日商会頭)とやや戸惑い気味だ。母親からは「3歳までならお母さんは安心できる」という声の一方で、「いくら国が言っても、働いていて3年は取りずらい」「育児切りもあり、 男性はとてもとれない状況で、3年というのがどれだけ現実感があるか」と批判的な意見も少なくない。女性問題ではほかに「5年で待機児童ゼロ」を打ち出している。むしろこっちの方が先じゃないのか?
前田典子(モデル)は「3年間も休めますかね」といい、石原良純(タレント)は「意識改革ですよ。そういうことが当たり前という社会にならないといけない」と話す。
司会の羽鳥慎一「いまだったら、『3年は…』という意見が多いと思いますがね」
赤江珠緒キャスター「昔から見れば、意識は変わってきてますね」
石原「人生も長くなっているんだから、そういうものも全部長くしていくということでしょう」
前田「待機児童ゼロというのもやってほしい。働くのもお母さんにはいい時間なんです。安心して預けられるのが重要。お母さんだけが育てる時代じゃない。イクメンも」
石原「オレは嫌だね」
小松靖アナ「男性が育休をとるというのも、意識としては定着しています」
現状は「育休前の5割を最長1年半まで」
いま女性を支える仕組みはこうなっている。出産後、最長1歳半まで雇用保険から「育児休業給付金」(原則育休前の給料の5割、上限21万4650円)が交付される。国の制度だ。しかし、そのあと3歳までは企業負担かほとんどが無給になる。これをアベノミクスは国の制度にするということのようだ。
青木理(ジャーナリスト)は「女性も働いていただきたいとこの成長戦略に入れたが、少子化は深刻な問題で、生んで育て易い社会が必要」という。さらに、「衆院では昨年(2012年)まで女性議員の割合は10%くらいだったのが、いま7.9%になっちゃった。国連加盟193か国のうちで163位。先進国どころか、世界でも最低レベルですよ。政治の世界にも女性の目が入っていかないといけない」