都営バスが24時間営業に向けて今年12月(2013年)から走り出すという。まずは渋谷―六本木間で試験運行し、順次24時間営業の路線を拡大していく。都心に「眠らない街」が出現することになりそうだが、周辺にどういう変化をもたらすのか。
居酒屋は歓迎、ネットカフェ、タクシー困る
4月17日の産業競争力会議で大都市圏で企業が行動しやすい環境を整える「アベノミクス戦略特区」が提案された。その一つが都営バスの24時間運行だった。おそらく一連の動きなのだろう。猪瀬都知事も16日にバスや地下鉄が24時間運行している米ニューヨークを訪れ視察している。
都心の電車やバスは深夜から早朝までの4時間ほどが空白時間帯になっている。その空白を埋めるために、計画では渋谷―六本木間を30分から1時間に1本の間隔で運行を目指すという。
では、どんな変化がおきるのか。朝まで営業している渋谷の居酒屋店長は「終電、終バスを気にせずにこのまま座って頂けるというメリットを感じます」という。これは功罪の「功」のほうだが、「罪」の方もけっこう多い。平日の深夜は5時間滞在で580円のナイトパックサービスを実施しているネットカフェは、「バスが走ってしまうと深夜の利用客が減ってしまうのではと怖いですよ」。タクシーのドライバーも「バスに客をもっていかれてきつくなるかな」
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト