「事件から2日後に会ったとき、彼らは何かに怯えているように見えた」と爆破犯の兄弟を知る友人は答えた。ボストンマラソンを狙ったテロ事件は、当初から過激グループの組織的犯行でなく素人によるものと見られていたが、やはり米国社会に不満を募らせていた若者が引き起こしたものだった。
銃撃戦でパニック!兄を車ではね飛ばし逃走
メインキャスターの小倉智昭「お兄さんの死亡には弟が関係していると言われているようですが…」
田中大貴アナ「警察との銃撃戦で弟はパニックに陥ったようで、車で逃げる際に兄を跳ねて引きずったと見られています。兄弟は警官隊に向かって5発の爆弾を投げています」
兄弟は10年前にロシア南部からアメリカに移住し、兄はボクシングでオリンピック出場を目指したが、ケガで挫折してしまう。そのあたりからイスラム教に傾倒し、最近ではアメリカ人はコーランを真似した安っぽい聖書に振り回されていると周囲に話していた。
夢破れて爆弾で晴らした鬱積
小倉「逃げた弟の捜索は大規模に行われたのでしょう」
田中「約9000人の警官などが動員されました。逃げ場を失い、民家の裏庭に置かれていたボートの中に潜んだようです。発見されてまた銃撃戦となった時は、上空のヘリコプターからの銃撃もあったと言います」
コメンテーターの夏野剛(慶応大学大学院客員教授)は「2人はチェチェンよりも良い暮らしを夢見てアメリカに渡ったのでしょうが、夢が破れた時にテロに走ったと思います」と語った。
小倉「いまアメリカで問題になっているのは、負傷した弟がテロ事件でケガをした人たちと同じ病院に収容されていることです。人命尊重から当たり前のことですが、同じ病院に収容したことが良かったのかどうか。考えさせられる問題です」
若者なら少なからず自分の住む時代・世の中に不満や怒りを持っている。それが無差別爆弾につながるまでにはもう一つ何かの要素があるはずだ。