民主化カリスマと現実路線の板挟みスー・チー女史―軍部接近に国民に失望感

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「国の発展のためには何よりも国民の和解と協力が必要なんです」

   圧倒的に不利な現実のなかで、スー・チーは現実路線を選択した。軍事パレードを見学し、軍の幹部に接触したり軍事政権下で利権を独占してきた財閥にも接近したりして、国の発展に力を貸して欲しいと協力を呼びかけた。そうした現実路線に、国民からは軍寄りの立場になるのではないかと危ぶむ声も上がり始めている。

   ―軍に接近し交渉するためとはいえ、あまりにも譲歩しすぎて自身の理念まで犠牲にしているのではないかという意見があります。それでも協力の重要性を繰り返し訴えていますが、どういう考えで協力が何より重要だと言うのでしょうか。

「この国のより良い未来に大切なのは国民の和解、協力だと言ってきました。共通の願いや目標に向かって協力することです。これは決して変わりません。常に私を導く理念でした。何もかもこちらの欲しいものを手に入れるということではありません。相手の立場を理解し、両者が新しい状況で何かを得るということです」

スー・チーのこんな言葉が印象に残った。

「この国には交渉を通じ歩み寄る文化がまだ根付いていません。これまで、この国は勝つことが良いことと考えられてきたからです。ですから、人びとには、ただ勝てば良いのではなく、どのように勝つかが大事だと言っています。どのように勝つかがとても大事なのです」

政治とは現実と向き合うことだ。民主化運動のカリスマだったスー・チーが現実路線を歩み始めたことへの反発をどう説得するのか。新たな壁が立ちはだかっている。

モンブラン

NHKクローズアップ現代(2013年4月17日放送「『一人一人が勇気を』スー・チー氏からのメッセージ」)

文   モンブラン
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