北朝鮮労働党幹部も認める「金正恩で食糧事情悪化」この冬は屍体ゴロゴロ

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「(金正恩が=筆者注)何を考えているのかは、日々わが国の当局が発表している通りだ。つまり、米帝(アメリカ)がわが国を敵対視する限り、わが国も米帝及びその傀儡に対する報復の度合いを上げていくということだ。 2000万朝鮮国民は一致団結して、米帝との最終戦争に臨むという決意を示している。ミサイル実験は、その覚悟を示したものだ。第2次朝鮮戦争になるかどうかは、米帝の態度次第だ」

   これは『週刊現代』の巻頭特集「ついにミサイル発射! 狂気の金正恩『日本よ、死ね!』」の中の北朝鮮労働党幹部のインタビュー部分である。

   このところの週刊現代の北朝鮮や中国特集は「反」の色が強すぎて腰が引けてしまうのだが、この「あるルートを通じてインタビューに成功した」箇所は、どれくらいの幹部かは知らないが、興味深い。この発言は建前だろうが、国内の食糧事情が悪化していることを素直に認めている。

   「人民軍でも最近は、食料調達が苦しくなっているのは事実だ。地方では軍と住民との諍いも、しばしば起こっている」

   この冬は凍死者も出ているという。

「それは凍死者も出た。地方は寒さをしのぐ術が乏しいので、仕方ないことだ。冬に地方出張へ行ったが、道端に屍体がゴロゴロ転がっていた。油を撒いて火で焼かないと、腐敗して菌が発生するのだが、油も不足しているため、そのまま放置されていた。週に1度現れる清掃員は、多くの屍体の始末で大変だった」

   4度目の核実験を強行するのかと聞かれ、こう答える。「核実験やミサイル実験にいくら費用がかかるか分かるか。100億ドルだ。それでも核実験は続ける。核兵器なくして、わが国の存続はないからだ。『人間はその日の米がなくても死なないが、兵器がなければ即死する』。将軍様(故・金正日総書記)が残されたお言葉だ」

   韓国への『南進』もやるといっている。だが「少なくとも安倍政権が存続している間は、日本の事は相手にしない方針だ」というから、対話を進めるのは難しいようである。

   この特集のなかで、中国側が北の動きをこう見ているという記述がある。「4月10日には、中国共産党機関紙『人民日報』が発行する中国最大の国際情報誌『環球時報』に、中国で最も有名な北朝鮮研究者の張?瑰(ジャンリエングイ)・中国共産党中央党校教授が、次のような原稿を寄せた。

   「朝鮮半島に近く戦争が起こる確率は、 7割から8割くらいあるだろう。北朝鮮にとって武力統一は、昔からの既定路線だからだ。金正恩は、金日成と金正日が成し遂げられなかった祖国統一を、いまこそ果たそうとしているのだ」。危機はまだ当分続きそうである。

マンガ出版社の危機!Amazonコミック書籍化ソフト無料公開で誰でも作品売れる時代

   村上春樹の新作『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』(文藝春秋)が発売された4月12日(2013年)、大型書店は大いに盛り上がったようだ。東京・代官山の「蔦屋書店」では深夜に150人が行列をつくりカウントダウンした。三省堂書店神保町本店では「タワー積み」の記録を更新。旭屋書店池袋店では地下のコンコースに臨時売店を設けるなど大フィーバーだった。文藝春秋は4月15日に6刷20万部を決定して累計80万部になった。昨年、阿川佐和子の『聞く力』がミリオンになったが、2年連続のミリオンは間違いない。

   大型書店はときならぬ村上神風でホクホクだろうが、中小書店にはこの本が配本されないか、来たとしても少部数で、すぐに売り切れてしまった。これは取次を中心とする出版流通の構造的欠陥であるが、格差は書店間でも広がってきている。

   電子書籍で大きな動きがあった。Amazon.がコミックの書籍化ソフトを無料で公開したのである。「Amazon.co.jpはこのほど、Kindle向けに漫画の電子書籍を作成できる無償ツール『Kindle Comic Creator』を公開した。『漫画やグラフィックノベルはKindleストアで急成長中のコンテンツ』としており、これまで必要だったHTML/CSSの知識がなくても、見開きページなどを設定した漫画のKindle本を容易に作成し、Amazon上で出版できるようになるとしている」( ITmediaニュース4月15日付より)

   この目的ははっきりしている。コミケ(コミックマーケット・世界最大の同人誌展示即売会)市場を取り込もうという戦略である。これで同人誌で細々と自分のマンガを売ってきた作家が、Amazonで自分のマンガを売ることができるのだ。それも一流の漫画家たちと同列でである。マンガの自費出版はあっという間に広がるだろう。大手マンガ出版社は最大の危機を迎えるのではないか。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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