神戸大学医学部付属病院が救急の受け入れを中止した。原因は救急部門の9人の医師のうち6人が辞めてしまったためという。病院の真ん前の喫茶店主は「先日お客さんが倒れて、救急車はきたんだけど20分くらい待ってる。目の前なのに」という。「多いときは8回~9回サイレンが鳴るのに、このごろ鳴らんからなんかあったんやなと」と近所の人も話す。
新しいシステム「ER型」変更に反発「私らの存在感薄くなる」
病院は救急態勢をアメリカ型(ER型)に変える方針で、他大学の医師を救急部門に迎えた。狙いは救急部の負担軽減だったのだが、6人の医師がこれに異を唱えて辞めてしまった。このため、病院は5日から患者受け入れを中止せざるをえなくなった。
これまで、救急部門は受け入れ患者の手術も治療も一括して扱ってきた。ER型では救急部で1次処置をして、以後はそれぞれの診療部門に振り分ける。救急部の存在感は相対的には薄くなる。辞めた医師らはこれが不満だったという。神戸医師会は「市民目線でモノを考えないといけない。責任感を少しは感じてほしい」という。
大学と医者の古い体質。困るのは救急患者
司会の羽鳥慎一「両方のいうことはわかるんですが、結果として医師がいなくなってしまった」
萩谷順(法政大学教授・ジャーナリスト)「大学病院はそれを埋める責任があります。ただ、大学とお医者さんの世界という、ある意味で古い世界で起きたトラブルだなと感じますね。民間の病院だったらこういうことは起きない」
小松靖アナ「ER型にすることで救急部の負担が減り、診療も効率よくスピーディーにできるはずだったが、年間420人という新規の急患の受け入れを止めることになったなんです」
羽鳥「どちらがいいのか。目の前の喫茶店で倒れても運ばれない」
宇治原史規(タレント)「ボクらにはわからないこともあるだろうから、辞めたお医者さんが一方的に悪いわけでもないと思うが、救急部の存在が薄くなるといっても、ボクらからしたら、言葉悪いけど、『知らんがな』となってしまいます」
赤江珠緒キャスター「新しいシステムは、考えようでは救急部は司令塔のような機能をもつということでもあるわけですよね」
病院は「別の方が教授になると方針に合わない」という言い方で辞めた医師を非難していたように見えたが、結局はこのあたりが。しかし、再開には数か月かかるというから、地域の人はたまったもんじゃない。