米国内の極右、カルトなら連続犯行心配
爆弾のつくりをどうみるかで、犯人像も大きく違ってくる。中東などで横行するのは携帯電話を使った起爆だが、キッチンタイマーとなると話は違ってくる。12秒というズレも誤差の範囲かもしれない。専門家も「カメラ効果を狙った計画性と緻密性がある」という見方と、「プロではない。稚拙な素人の仕事」「高性能爆薬だったらもっと死傷者が多い。愉快犯か」という見方に分かれる。
圧力鍋爆弾はアフガニスタンのテロリスト養成所で教えている手口ともいわれる。2010年にタイムズスクエアで仕掛けられた(未遂)爆弾はこれで、パキスタン系の男が逮捕されている。軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏は「爆発物の威力からいって、訓練されたテロという印象はない」という。
黒井氏はテロは4つのタイプに分かれるという。イスラム系では、いわゆるテロ組織とホームグロウンがある。ホームグロウンは移民の2世、3世で、2005年のロンドンテロがこれだった。また、米国内特有のテロでは極右とカルトがある。どれも過去に大きな爆弾事件を起こしており、とくに極右はほとんど単独犯だ。イスラム系は犯行声明が出るのが普通だが、今回はまだない。右翼・カルトとなると、先のノルウェーの乱射とかアトランタ五輪の爆弾とか、 1人で自分の世界に入り込むケースも多く、またいつでもできる。
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萩谷順(法政大学教授・ジャーナリスト)「威信を傷つける目的ははっきりしていますよ。ビンラディンの殺害でテロとの戦いは終息段階とされていたが、もしこれが海外の勢力だとすると、もう1回態勢を立て直さないといけなくなります」
当局の慎重な動きは、このあたりを反映しているのかもしれない。