北朝鮮軍部で暗闘「金正恩派VS古参幹部」24人射殺の情報

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   北朝鮮によるミサイル発射のヤマ場と見られていた4月15日(2013年)は何事もなく終わった。しかし、これまでにないほど乱暴な言動でアメリカや韓国、日本を威嚇し、緊張を高める北朝鮮の暴走は続いている。北朝鮮内部で何かが起きているのか。

   キャスターの国谷裕子は「私たちの取材で北朝鮮の内部が揺れ動いていることがわかりました。ここ1年で幹部の更迭や粛正が相次ぎ、軍と朝鮮労働党の力関係が変化しています」と語った。

先軍政治より経済優先掲げたが、反発されて軍門

   国谷「北朝鮮の最高指導者である金正恩第一書記が就任した直後は、韓国や日本に対し対話姿勢を見せていました。それが一転、強硬姿勢へと変化しました」

   韓国大統領府に勤務していたキム・テヒョ氏は、「北朝鮮経済の悪化や自然災害など、金第一書記にとってマイナス材料になることが相次ぎました。この結果、労働党が弱体化し軍が力を増しました」と解説する。軍幹部のチェ・リョンヘは金正恩がトップになった直後に登用され、その時の軍服の肩章は大きな星の次帥だったが、昨年4月(2012年)には小さな星が4つに変わっていた。軍内部の権力闘争によって大将に降格されたと見られるという。

   元北朝鮮幹部は「これまで24人の軍幹部が粛正されたと聞いています。全員、射殺されたようです。自分たちの既得権益を守るため、邪魔になる者を失脚させたり粛正したりしているのでしょう」と語る。ゲストの李鍾元(早稲田大学大学院教授)は「金第一書記は経済発展を優先させるためそれまでの先軍政治を見直し、軍の人事刷新を図ろうとしました。しかし、軍の反発を受け、軍をなだめざるを得なくなった。その結果、対外政策で強硬策を取らざるを得なくなったわけです」と分析する。

   国谷「なぜ金第一書記は軍に引き込まれたのでしょうか」

   李教授「北朝鮮にとってはアメリカが最大の敵です。軍をなだめるためにも、そのアメリカを短期間のうちに交渉のテーブルに着かせ、成果を上げたいという思惑があると思います」

非核化拒否して中国の後ろ盾失った金正恩

   もう1つ変化が見られるのが、北朝鮮の後ろ盾であった中国の動きだ。今年2月、英国の「ファイナンシャルタイムズ」紙にある論文が掲載された。筆者は中国の新聞「学習時報」の元副編集長だ。タイトルは「中国は北朝鮮を見捨てろ」だった。元副編集長は「この論文は私だけの考えではない。同じように考える人が中国全土で広がっている」とクローズアップ現代の取材に応えた。

   李教授「中国は朝鮮半島の非核化を求めています。しかし、金第一書記は核保有は父・金正日の遺訓だとして反発していて、無視しました。これによって、中国と北朝鮮の間がギクシャクしはじめました」

   国谷「中国もアメリカも北朝鮮に非核化を求めています。でも、北朝鮮は核保有を強化しようとしています。核保有と非核化、両者の間のギャップが大きいのでは?」

   李教授「中国の動きは北にとってプレッシャーになります。また、中国に依存せざるを得ないところもあります。すぐに効果は上がりませんが、北は中国に刃向かえないでしょう」

   中国は毎年贈っていた「金日成生誕日の特別配給」のための食糧プレゼントを今年は中止した。

ナオジン

NHKクローズアップ現代(2013年4月15日放送「北朝鮮 相次ぐ挑発の謎」)

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