とんでもない事件が起きた。きのう15日午後3時(日本時間2013年5月16日午前4時)ごろ、日本人にも馴染の深いアメリカのボストンで開催されていたボストンマラソンのゴール付近で2回の爆発があり、3人が死亡、100人以上がけがをした。死亡した1人は8歳の男の子で、17人が手足を失うなどの重傷を負った。
ゴール付近でレース参加者ターゲット
爆発はゴール近くの観客席の後ろあたりで起こった。ドドーンという音がして白煙が舞い、叫び声と悲鳴が上がる。壊れた建物の破片が飛び散る。倒れるランナー、逃げ惑う人々。一瞬にしてパニックとなった。その10数秒後、再び爆発音が響いた。参加していた日本人ランナーが様子を語る。
「爆発したときゴールの近くにいたんですけど、突然止められました。救急車、消防車、パトカーがいっぱいいるんです」
何が起きたのかまだよくわからない様子だ。
アナウンサーの笠井信輔がパネルをみながら情報を整理する。「1回目の爆発が起きたのはゴール付近でした。それから10数秒後にゴール手前約150メートルのところで2回目が起きました。さらにゴールを越えたところで爆発物が発見されています。これからゴールしようとする人、ゴールした人を次々に狙った悪質な犯行と思われます」
ボストンマラソンは今年で117回となる歴史のある大会だ。これまでに日本人が8回優勝、瀬古利彦も2回勝っている。今年も271人の日本人がエントリーし、出場者名簿には50人の名前があったという。
18年前にもあった「愛国者の日」(4月第3月曜)の爆破事件
キャスターの小倉智昭が「そのボストンマラソンでなぜこういう爆発があったのか。テロの仕業によるものなのか」とニューヨーク支局の西橋麻衣子に聞く。
西橋「オバマ大統領は緊急会見で、誰が何の目的でやったか追及すると述べました。まだテロとは断定しませんでしたが、ホワイトハウスはテロとみて捜査をすると発表しました。マサチューセッツ州などでは15日は愛国者の日という祝日なので、反政府主義者のテロという見方も出ています」
小倉「ボストンは風光明媚な落ち着いた街で、学園都市のイメージもありますが、そこでこういう事件が起きた。何があったのでしょうか」
コメンテーターの竹田圭吾(国際ジャーナリスト)「いま世界でイラン、北朝鮮、シリアなどアメリカに不満を持っている国や指導者はいるが、アメリカを憎んでいる勢力は見当たらない。そうすると、国内的な犯行の可能性もありますよね。テロであれば、犯行声明や具体的な要求があるまでは特定できないが、1995年に起きた連邦政府ビル爆破事件も愛国者の日に起きている。いまオバマ氏をいちばん憎んでいるのは、国内の銃規制反対派や同性愛者同士の結婚反対派とか…。推測ですが、その人たちが何らかの形で関わって可能性があるのかもしれない」
ニューヨークの西橋によると、現場周辺で不審な動きをしていたサウジアラビア人男性が市民に取り押さえられ警察の聴取を受けているという。