きょう15日(2013年4月)は北朝鮮の最大の祝日である金日成誕生日だ。朝鮮中央テレビも朝からこれ一色で、まあ、きょうミサイルをぶっ放すというようなことはないだろうが、今後はどうなのか。国の最大イベントが終わってから発射しても、国内的にはインパクトは弱いし、対外的には日米中韓で「まあ、あの若いのを説得しようよ」という動きになっている。
金正恩姿現さず―25日「朝鮮軍創建記念日」次のヤマ場
岸本哲也リポーターが東京・市ヶ谷にある防衛省に配備された迎撃ミサイルPAC3の近くからレポート。「きょうもPAC3の周辺では目立った動きがありません。北西方向に向かって配備されたままです」と伝える。韓国の新聞は「きょうがミサイル発射の最大のヤマ場」と書いているが、平壌にもそんな気配や緊張はない。
ただ、この間、金正恩第1書記や党・軍幹部は表舞台にまったく姿を見せていない。「コリアレポート」の辺真一編集長は「もう2週間近くも金第一書記は表に出ていません。アメリカから北朝鮮が納得できる対応は期待できないという判断に傾き、地下の司令部で指揮をとっているものと思われます。きょうミサイル発射がなければ、25日の朝鮮軍創建記念日が次のヤマ場になるものと考えられます」という。
米韓の「懐柔姿勢」に国内向けは「勝った!勝った!」
渡辺和洋リポーター「北朝鮮を思いとどまらせるために、韓国の朴大統領は対話を呼びかけ、アメリカのオバマ大統領は米韓合同演習のいくつかの作戦を中止することを表明しています」
メインキャスターの小倉智昭が「今になって北朝鮮を懐柔するような動きを見せるなら、始めから北朝鮮に強硬姿勢をとらせるようなことをしなければよかったのに」と語ると、コリア国際研究所所・朴斗鎮氏朴所長は「これで金第一書記は自分の立場を不動なものにするでしょう。核実験とミサイルで偉大な指導者という立場を確立しました。これまでは軍内部の一部に、若いし実績がないと批判する声があったようですが、これで軍は何も言えなくなったと思われます」とみる。
コメンテーターの夏野剛(慶応大学大学院客員教授)「北朝鮮の国内経済の低迷状態はいまだに続いており、ミサイルで自分の立場を強化せざるを得なかったのでしょう」
朴所長「韓国は対話を呼びかけ、北朝鮮との緊張状態から降りてしまった。ボールは北朝鮮側にあるわけで、北朝鮮は今後、韓国にさまざまなことを仕掛けてくるでしょう」と不気味な予測をした。北朝鮮は次の一手に何を繰り出してくるか。