黒田東彦・日銀総裁の「これまでとは次元の違う金融緩和」効果なのか、きのう11日(2013年4月)の日経平均株価の終値は4年9か月ぶりに1万3500円を上回り、為替相場も1ドル100円をうかがう。アベノミクスは何か目に見えないものが動かしているかのようだ。安倍首相が「お札をじゃんじゃん刷って」と金融緩和を吹聴し、これにマーケットが勝手に反応して黒田節が輪をかける。投資家はウハウハだが、一方で値下げも急だ。どこかが違う。アベクロ景気というのだそうだ。
スーパー、牛丼「値下げ競争」激化!
証券会社の前で投資家の笑顔もいろいろだ。「この20年でやっと日本の時代がきた」「今は半信半疑で、悪いときの記憶がまだ残っているから」 「これだけ上がると、あとの反動がどうなるか心配」
その一方でガソリンは5週連続で値下がり、灯油は6週連続。円安で値上がりして需要が減り小売店の競争が値下がりになったのだという。 ダイエーは先月末(2013年3月)から食料品や日用品を中心に1300品目で平均15%の値下げだ。西友は肌着の「エコサラ」を最大40%近く値下げした。売り上げが6倍になり、発注が増えてコストが改善されたのだという。西友では弁当を値段据え置きで1.5倍に増量して、売り上げも1.5倍になった。
牛丼の競争も激しい。すき家、松屋が期間限定で牛丼を150円にしたのは、吉野家が来週18日から380円を280円にするためだ。アメリカ産牛肉の輸入規制緩和で安定して安く調達できるようになったためという。
アベクロの目標は2%の物価上昇だが、この牛丼値下げを聞かれた黒田総裁は「全体の物価安定目標とは別」と変ないいわけをしていた。
高級品は人気!ランボルギーニやフェラーリ注文殺到
司会の羽鳥慎一「円安と株高のスピードはすごい」
長嶋一茂(スポーツキャスター)「ボクはそっちの方はよくわからないけど、すごい。安倍さんの手腕ですかね」
安倍さんは何もしちゃいないよ。わめいただけ。
エコノミストの飯田泰之は「売り上げが伸びると薄利多売が生きる。値下げはインフレの方がインパクトは大きい。値下げを戦略として使えるようになった」
羽鳥「政策では値上げなのに、値下げ?」
飯田「安くたくさん売るのと、少なく高いものを売るのと、二分化していきます。企業はそれを選べるようになった。安いという以外の価値を売る」
現に高級品は売れている。百貨店では1、2月連続で売り上げが伸びて、時計、宝飾、ブランドが昨年より8.6%伸び。豪華客船の旅とか高級外車が売れている。「ランボルギーニが昨年より73%増えた。フェラーリも1~3月で全国で144台売れました」(黒宮千香子レポーター)
飯田「ゴールデンウイークの予約も伸びてるし、アルバイトの時給が上がった。(景気が良くなると)最初にアルバイトが不足する」
アベクロはやはり動いている。どうなるか、まだ半信半疑ではあるが…。